「教え子を二度と戦場に送らない」の言葉を今こそかみしめて~前川喜平さんの訴え~

2022年06月08日

一昨日、「立憲主義を取り戻す!戦争させない!9条こわすな!第11回オール埼玉総行動」が開催されました。私は北浦和公園で行われた中央集会に参加しましたが、その他にも県内各地で様々な取り組みが行われました。吉川市を含むオール14区は新三郷駅に集合し、スタンディングなどを行ったとのことです。

中央集会ではゲストスピーカーとして現代教育行政研究会代表の前川喜平さん、政党あいさつでは社民党党首の福島みずほさん、立憲民主党衆議院議員の小宮山泰子さん、日本共産党衆議院議員の塩川鉄也さんがお話をされました。
前川喜平さんのお話を簡単にご紹介します。

「教え子を再び戦場に送るな」という教職員組合がずっと言ってきた言葉を、今こそかみしめなくてはいけないと思います。
本当に教え子を戦場に送るような教育が始まってしまっています。憲法改正を唱えている人たちは、憲法改正の前に教育基本法を「改悪」しました。
国は何のためにあるのか、人のためにあります。幸せに一人ひとりが生きるために国があり、その国は我々が創っていく、それが憲法の原理です。
ところが憲法を変えてしまおうと思っている人たちは、国のために人がある、国のために命を捨てろという考え方を植え付けようとしています。これは専制主義国家、独裁主義国家では必ず起こっている教育です。かつての日本の子どもたちも教え込まれて、それが正しいことだと信じて自らの命を捨てていきました。
そんな歴史を繰り返さないために、我々の教育がありました。国のために死ぬのではなく、国は人を活かすためにあるんだという教育を取り戻さなければならないと思っています。

来月に予定される参議院選挙は本当に危ない。参議院選挙の後が本当に危ないことになるだろうと、危機感を抱いています。憲法を大切にする人たちが頑張らないと、憲法が破壊されてしまいます。

もう既にこの10年の間、安倍・菅・岸田政権の下で憲法はさんざん破壊されています。憲法の原理・原則が次々と壊されています。
思想・良心の自由を踏みにじる「共謀罪法」、国民の知る権利を踏みにじる「特定秘密保護法」、平和主義を踏みにじる「安保法制」ができてしまいました。学術会議の任命拒否も学問の自由への侵害。ヤジを飛ばしただけで警察に捕まるのは表現の自由の侵害。こういうことが当たり前に行われるようになってきています。
今ならまだ「憲法違反だ」と戦えますし、まともな裁判官なら「憲法違反」という判決を出してくれます。
しかし憲法そのものが変えられてしまったら「憲法違反だ」という主張もできませんし、裁判所は「憲法違反だ」という判決を出せなくなります。日本の国がひっくり返ってしまいます。
今、そういう危機の瀬戸際に立っていると思います。

自民党は「9条は変えない」と言い、「ただ9条の2を加えるだけ」と言います。しかし9条の2は「前条の規定は、自衛のための措置をとることを妨げない」 というもので、「自衛」という名目さえ立てばいくらでも戦争できる、そういう国にしてしまうという今の9条は全く無力化し、9条を亡き者にしてしまうような改憲です。

「緊急事態条項」。我々はこの二年間「緊急事態」というものに慣れ親しんでしまい、「緊急事態」とは8時を過ぎたら酒飲めないというように思っている人もいますが、「緊急事態条項」が入ると「独裁」が成立してしまいます。国会が無力化され、立法権が奪われ、内閣総理大臣一人が独裁者になれる・・・。日本を独裁国家にしてしまうものです。

自民党は緊急事態条項を発動するのは「大規模自然災害」「パンデミック」「テロ・内乱」「有事・武力衝突の事態」としています。新型コロナのような感染症が再び我々を襲ってきたときに間違いなく「緊急事態条項」を発動するでしょう。そこで独裁政権ができてしまいます。
「緊急事態宣言」というような甘いものとはまるでまるで違うものだということをしっかりと認識しておく必要があります。

今の自民党は昔の自民党とは全然違います。
かつての自民党の中には護憲派がいました。しかし今の自民党には護憲派はほとんどいません。いても「憲法守れ」と言えません。
かつての宏池会という護憲・リベラル・ハト派の派閥はもう跡形もなくなってしまいました。大平正芳さんや宮澤喜一さんが頑張っていたころの自民党の宏池会とはまるで違います。
岸田さんは安倍菅政権の路線をそのまま引き継いでいるだけ。丁寧な説明と言うが、丁寧な言葉は尽くして何もしません。結局これまでの軍拡路線をそのまま引き継いでいます。さらには敵基地攻撃能力を反撃能力と言い換え、指揮統制機能を攻撃できる、軍事費はGDPの2%まで引き上げる。そうすると日本はアメリカ・中国に次いで世界第3位の軍事大国になる。
これは狂気の沙汰です。

今度の参議院選挙、本当に大事な選挙だと思います。
何としても9条守る、憲法を変えさせないという人たちが3分の1、いなきゃいけません。本当に危ないところに来ていると思っています。
9条変える・憲法変えるという人たちに対して、「憲法変えない」というところで手を結ばなくてはいけません。
憲法守るか、憲法を破壊するかという正念場です。
憲法を破壊する人たちに対して、いろいろな意見の違いがあっても「憲法の破壊を許さないぞ」というところでみんなで手を繋がなくてはいけません。私は手をつないだところには応援に行きたいと思います。