『どうぶつかいぎ』展

2022年04月06日

予定していた会議が急遽キャンセルになり、このタイミングを逃しては絶対に観に行けないと思い、大急ぎで行ってきました。「どうぶつかいぎ展」。
立川市、PLAY!MUSEUMで10日まで開催中です。

絵本「動物会議」を描いたのはドイツのエーリヒ・ケストナー。
挿絵はヴァルター・トリアーです。

何時までたっても戦争をやめない人間たちにしびれを切らした動物たちが正解中から集結し、「子どもたちのために」会議を開き、平和を訴える物語です。
今回初めて知ったのは、ケストナーとトリアーには壮絶な体験があり、ケストナーはナチス政権下のドイツで著作を焼かれ、執筆を禁止された体験を持つということ。
トリアーはユダヤ人で、家族とともに亡命を余儀なくされたとのことです。
平和への願いを込め、1949年に発表された作品とのことです。(「どうぶつかいぎ展」公式図録会場写真と8つのインタビュー」より)

展覧会は2月5日に始まりましたが、この大切な展覧会の最中にロシアのウクライナ侵攻が始まり、しかも未だ終結せず、子どもまで含むたくさんの市民が殺されています。
国連憲章も国際法も踏み躙る暴挙ですが、怖いのはこの惨禍に乗じて「日本も軍備を増強しなくては」という人々の声が大きくなっているという事実です。
病気を理由に引退したはずの安部元首相の声がとても大きく聞こえてきます。
「防衛費に関し2023年度は当初予算で6兆円程度を確保すべき」。
ドイツが防衛費をGDP比2%超に増やすと表明したことから、「日本もそれに向けて加速する必要がある」 。
政府が保有の是非を検討する敵基地攻撃能力について「基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」 とまで言い出したとか💦
憲法9条への自衛隊明記や緊急事態条項新設など自民党の憲法改正案4項目の早期実現も、改めて求めたとか。

恐ろしすぎます。
軍備増強合戦で、いったい何が生まれるのでしょう。
戦闘態勢を整えあう中で、平和が生まれるはずがありません。
どうしたら戦争をしないで、平和で友好な世界を築けるのか、まずはそのことを本気で考えるべき「今」ではないでしょうか。

「ぼくたち動物は、二度と戦争や貧困や革命が起きないことを要求します!
そういうことは、おきないようにしなければなりません。
なぜなら、おきないようにできるからです!
ですから、おきないようにすべきです!」

動物たちのこの声を、今こそ真摯に受け止める人間たちでありたい。