『ものの見方たんけん隊』

2021年05月07日

日本共産党吉川市議員団は、毎週月曜日と火曜日に議員団会議を開いています。金曜日の会議は、学習をメインにしています。
議員として学ぶべきことはとても多く、日々、結構必死で勉強をしています。が、「議員団」としてどんな学習をしていくのかということは、少し悩みました。
吉川の議員団は、29歳で議員になり以後11期40年以上にわたり議員を務める遠藤義法さん、35年にわたりサラリーマン生活を送ってきて50代後半になり初めて議員を務める飯島正義さん、そして私の3人の構成です。
それぞれにこれまで生きてきた人生も違うし、興味関心も違います。この3人でどんなことを学習することが、議員団としての「力」につながるのか・・・。

悩んだ結果、非常に基礎的な学習をすることにしました。
『ものの見方たんけん隊』(学習の友社 長久啓太著)。
日本共産党の理論的基礎は「科学的社会主義」です。「科学的社会主義」とは、19世紀の中ごろにドイツに生まれたマルクスとエンゲルスが資本主義の矛盾と、労働者が搾取され人間らしい生活を奪われた状態からどうしたら解放することができるかという、社会変革の道筋を科学的・弁証法的に明らかにした理論体系です。
『ものの見方たんけん隊』はその初歩の初歩のような本です。

20代のころはマルクスやエンゲルスの著作もそれなりに読みましたが、こういう学習は本当に久しぶりでした。
若い人向けの初歩的な本を読んで面白いと感じられるのかどうか、正直不安でした。
でも、やってみて良かったです。

19世紀の資本主義社会というのは、おそらく日本の「ああ野麦峠」とか「女工哀史」のような労働者を酷使し、儲けのためには人のいのちも健康もいとわないような企業経営がヨーロッパで猛威を振るっていた時代だったと思います。そんな時代に生まれたマルクスは、弁護士の息子で大学に行くことができ、とびぬけた能力を持った人でもありました。エンゲルスも住んでいた町で一、二を争う工場経営者の息子でした。
2人とも労働者がどんなに劣悪な状況に置かれているかなど気づくこともなく、見て見ぬふりすることだってできたはずでした。でも、二人ともそんなことはできませんでした。
なぜこんなにひどい状況に労働者が置かれているのか、どういう仕組みの中で労働者が使い捨てにされているのか、どうしたらこの問題は解決するのか・・・。そこに拘り、科学的な分析と弁証法的・唯物論的考え方で理論づけたのが「科学的社会主義」です。

わたしたちが普段当たり前だと思っていることが本当に当たり前なのか、疑問を持って考えること。
何事も先入観で経験主義的に決めつけて見ないこと。
私たちは必ず成長することができ、可能性に線をひかないこと。
成長するためには学び続け、コツコツと地道な努力を続けることが大切。
困難や苦しさは成長・発達のための大切な栄養素。
物事を否定的に見るのではなく、良い面も悪い面もありのままにとらえる力を身につけることが大切であること。
など、改めて学びました。
議員団の会議ですが、市政や議会の話・政治の話ばかりではなく、根本的な「ものの見方」「考え方」を共に学び、ディスカッションすることはとても意義のあることだと感じます。
100ページの本を4回に分けて、一カ月かけて学びました。これからも続けていきたいと思います。
次回は「自己責任をのりこえる―連帯と『社会的責任の哲学』」(吉崎祥司著 学習の友社)を学習する予定です