『世界の現状から平和を考える』ダニー・ネフセタイさん

2022年08月20日

今日は第8回平和のための吉川・戦争展でした(同実行委員会主催、吉川市教育委員会後援)。

第6回、第7回と南埼玉病院院長の瀬戸睿先生に講演をお願いしながらコロナのために中止を余儀なくされ、ようやく3年ぶりの開催が実現しました。
記念講演は秩父在住にイスラエル人、家具職人のダニー・ネフセタイさんでした。

私も「東アジアの平和を考える会」代表として、実行委員会に参加しています。
今回の記念講演にダニーさんを推薦させていただいた経過もあり、今回は吉川駅までダニーさんをお迎えに行き、また講演を始めるにあたっての講師紹介も担当しました。
そんなこともあって、吉川駅から会場のおあしすに向かうまでの短時間にダニーさんにいろいろと質問して、ダニーさんのことを教えていただきました。

日本に来日したのは徴兵が終わってからの22歳の時で、目的は観光旅行、2週間の滞在予定だったそうです。
それが思いがけず長期滞在となったのは苗字が「吉川さん」という女性と出会ったからで、結婚して初めの頃はイスラエルで暮らした時期もあったそうですが、この43年、日本で暮らしているそうです。
ダニーさんは会話はもちろん日本語で全く普通に会話することができますし、私も講師を依頼した時からこまごまとFacebookのメッセンジャーを利用して連絡を取り合いましたが、普通に日本語でやり取りができました。
日本にすっかりなじんで暮らしている方だと思いました。

私は数年前、「平和のための埼玉の戦争展」の書籍販売コーナーでダニーさんと出会いました。
ダニーさんはご自身の著書『国のために死ぬのはすばらしい?』を販売されているところで、とても強い印象を与える方だと感じました。
いつかぜひ、吉川でお話していただきたいなぁと思いましたが、ようやく実現しました(⋈◍>◡<◍)。✧♡

ダニーさんの祖父母の家族たちはアウシュビッツに収容された経験があるそうです。
イスラエルで生まれ育ったダニーさんは恐らくパレスチナとの非常に緊張関係が強い環境の中で育ち、徴兵制も軍隊も当たり前のことで、戦闘機に乗ることを「カッコいい」と思っていたそうです。
でも、戦闘機にできることは「人を殺すこと」「まちを壊すこと」の二つだけ。
高いお金をかけて作るのに、建設的なことは何一つとしてできない。
しかも2019年のイスラエル軍人の死亡のうち、45%が自殺。
PTSDに苦しむ軍人がとても多いという現実。

日本の現在の軍事費は約6兆円。
これを1日当たりで考えると164億円、1時間では6億8500万円、1秒では19万円。
何と私たちの1か月分の給与にも相当する額が、わずか1~2秒、3秒で軍事に消費されていきます。
しかもそのお金は税金で、おまけに何も生みだしはしない、殺し、破壊するためだけのお金です。
何故そんな意味のないことに税金が費やされていくのか。
日本は今軍事費をGDPの2%へと、現在の2倍へと増強しようとしていますが、それは元々アメリカが言い出したことでした。何故日本の税金の使い方をアメリカに指図されなくてはいけないのか・・・。

ダニーさんのお話はとても具体的で、しかも力強く、聴衆を励ますお話でした。
イスラエルで生きてきたからこそ語れるのではないか、そんな風に感じる、他の人とは全然違う切り口があって、とても引き込まれるお話でした。

会場からの質疑応答で初めて知ったのは「ユダヤ人の定義」でした。
私はてっきり「ユダヤ教の信者」がユダヤ人かと思っていましたが、「母親がユダヤ人なら子どもはユダヤ人」なのだそうです。
ダニーさんにはお子さんが3人いらっしゃいますが子どもたちのお母さんは日本人なので、ダニーさんの子どもにユダヤ人は一人もいないのだそうです。
ユダヤ人のみなさんには特に中東・ヨーロッパで苦難の歴史が長い間続きましたが、そんなに単純な定義なのになぜ???ととても不思議に感じたお話でもありました。
もっとたくさん、勉強しないとなぁ💦

とても有意義な戦争展でした。
ダニーさん、ありがとうございました(⋈◍>◡<◍)。✧♡