『大河への道』

2022年05月24日

実は意外と、歴史小説好きです💖

造り酒屋の入り婿となった勉強好きな伊能忠敬は厳しい妻に勉強することを許してもらえず、妻も亡くなり隠居してから勉学の道を歩みました。50歳を過ぎて「子午線1度の大きさを知りたい」との熱い思い。
どうしたら知ることができるかと、自由に関所を超えることさえ許されなかった江戸という時代に考えに考えた末思い至ったのは、帝政ロシアの脅威にさらされていた蝦夷の地の正確な地図をつくるということでした。
そしてそれはやがて、「日本地図をつくる」という大仕事へと発展していきます。
井上ひさしさん著の『四千万歩の男』(講談社文庫)には、その旅の様々なエピソードが描かれていて、創作か実話かよくわからない部分がたくさんありますが、とってもワクワクするお話でした。

写真は私の本箱の一角です💦

少し前に『志の輔落語』を聞いたとき、志の輔さんが伊能忠敬さんの話をしていました。
実は日本地図が完成して将軍にお披露目した時、既に伊能忠敬は亡くなっていました。しかし地図を完成させることが本当に大切なことだという伊能忠敬を支えた人々やそれをリードした幕府天文方の思いで、伊能忠敬の死を伏せ、いのちを賭けて地図を作り続けたというお話でした。
その話を聞いただけでもゾクゾクしましたが、志の輔さん創作のそのストーリーが中井貴一さんの主演により間もなく公開されると知り、待ちわびていました。
今月20日に公開されたと知り、いてもたってもいられず、すぐに観に行ってきました。
本当に面白い映画でした💕

本当は死んでしまったのに「生きている」と幕府を謀り、地図作成のためのお金をもらうということは、万が一発覚したなら打ち首にされてもおかしくない時代です。
それでも、地図を完成させる意義を誰もが肌で感じていたからこそ、その大仕事を最後までやり遂げることができました。
できあがった地図を見て、将軍は「これが我が国か」と感嘆しました。
遅れた国だと思い込んで植民地にしようと思いやってきたイギリスは、決して遅れた国ではないと知りました。
伊能忠敬がつくった地図は、現代の航空写真で見てもほんのちょっとズレているだけの素晴らしい完成度です。
その地図を自分の足の感覚だけで作り上げた偉業に感動します。
それでも地図を作ることに意義を見出し、作り上げたみなさんにも本当に感動です。

とっても良い映画を観た気がします。