『女帝 小池百合子』

2020年06月08日

話題になっている本、『女帝 小池百合子』を早速買って読みました。
すごい本です!!

読めば読むほど、虚飾に満ちたその人生に驚きます。
彼女が初めて国政選挙に臨んだとき、友人たちと「カイロ大学卒なんだね~」と会話したことを、今もはっきりと覚えています。
一体どういう人生の中でその大学を選んだのか、どうしたらそんな人生が送れるのか、お父様はきっと外交官か豪商なんだろうなぁと漠然と思ったものでした。
まさかそれが虚言だったとは💦

虚言癖、妄想症・・・。どういう言葉が一番相応しいのか、わかりません。著者は「イカロスの翼」と表現しています。
低く飛び過ぎれば海に墜落してしまう。
高く飛び過ぎれば、太陽の光で蝋が融け、翼がもがれてしまう。
そんな翼を身にまとった政治家。
もっと上に行きたいという、凡人には理解しえない上昇志向。
だけど政治に対する哲学はなく、社会に対する理想もなく、また何かを真剣に学ぼうという姿勢すらもない。
選挙民の苦境にも全く無関心。
神戸出身で、選挙区も神戸。
しかし阪神淡路大震災で苦境に陥り、陳情や要望に議員会館を訪れる神戸市民の願いに寄り添う姿勢もなかったとのこと。
控室に陳情に訪れた人々を前に、一度として目を合わせることすらせずマニュキュアを塗り続け、「マニュキュア塗り終わったから、もう出ていって」と言ってしまう。
マスコミの質問に「ぐも~ん」と小バカにした態度を示し、返事もしない。
熱心なのはより「上」の人たちにとりいることと、テレビの報道の中にいかに映り込むかばかり。
そんな姿勢が赤裸々に綴られています。

それでもここまでの地位に上り詰められてしまうことに恐ろしさを感じます。

だけど、こうした政治家は小池百合子氏に限らないと感じます。
見かけがそれなりに良く、何となく耳障りの良い世間受けする言葉を発し、もしかしたらこの人なら何かを変革してくれるんじゃないか・・・。
人々にそんな期待を感じさせる政治家。
でも心にあるのは野望だけだから、結局は何もできない。
ここまで上り詰められるかどうかは別にして、そういう政治家はたくさんいるように思います。

どういう人を選挙で選ぶのか。
マスコミの報道に流されず、自分なりにちゃんと人を見分ける。
そういうことが、求められるんだと改めて思います。

コロナウイルスの問題では、オリンピックの延期が決まった途端マスコミへの露出が増え、突如として再び存在感を強くした小池都知事。
コロナ対策を通して安倍内閣の支持率は急落したけれど、小池百合子氏への支持率は多分上がっていることでしょう。
しかし彼女がマスコミへの露出を増やしてきたその時には既に、自民党は都知事選に対抗馬を立てず、小池百合子を支援するとの結論が出されていたそうです。
新型コロナウイルスという新たな脅威と国民生活の困窮を利用して、存在感を指し示し、政治的野望を果たそうとするその姿勢がたまらなく恐ろしい!!!

小池百合子氏の著書をはじめ、様々な雑誌に掲載された彼女にまつわる記事を読み解き、またカイロ大学時代一緒に暮らした女性をはじめ100名以上の人々にインタビューを重ねて書かれたというこの本。
400ページにも上る本で、読むのは少し大変でした。
しかし非常に興味深い本でした。