中川の治水対策

2020年10月13日

9月議会の一般質問は、世情を反映して災害対策・治水・避難所対策などに関心が集まり、私以外にも無所属の降旗聡議員、公明党の小野潔議員、自民党の赤出川義夫議員が質問をしました。
昨年10月の台風19号による中川の水位は422㎝に達し、氾濫危険水位410㎝を超えました。
中川のすぐ隣にある吉川小学校には48名、下流の中曽根小学校には399名の方が非難しました。
台風が過ぎ去った翌朝、近所に住む岩田京子議員と二人で市内を見て回りました。
その時高久の住人の方ともお話をさせていただきましたが、越水が起きるのではと非常に不安だったので、早々に他市の中層住宅に住む友人宅に避難させてもらい、一夜を過ごしたとのお話でした。
下流の高久の堤防が低く、その嵩上げが長年の課題となっています。

私はある専門家の方から、治水対策として最も安上がりでしかも手っ取り早くできるのは「浚渫」、つまり川の底をさらうことだと教えていただきました。
3月議会の予算審議で質問しました。
市の答弁は、「江戸川河川事務所にできるだけやっていただけるように働きかけていきたい」「3月3日の官庁速報で越水を想定した河川堤防の強化対策に乗り出すと国交省から発表され、期待したい」とのことでした。
その後の交渉の進捗について 、9月議会の一般質問で問いました。

市の答弁は、「江戸川河川事務所から、中川の河川整備計画に基く河川断面が確保されているために、中川・綾瀬川流域計画書では必要となる河道掘削は完了しているというお話だった」というものでした。
率直に言うと、国は浚渫については考えていないということだと思います。
下の写真は利根川河川事務所のホームページから頂いたものですが、浚渫の意義がよく分かります。



浚渫について、自民党の赤出川義夫議員が興味深い質問をしていました。

赤出川議員が子どもだったころ(私も同じころに子どもでしたが💦)、中川には「浚渫船」という船が来ていて、浚渫が行われていたそうです。
地元生まれ、地元育ちの人でなければできない発言だと思いました。
昔やっていたというのは、やっぱり浚渫をすることが一番手っ取り早く安価で、失敗のない治水対策だからだと思います。
なぜ今、それをやらなくなったのか・・・。
大型工事にお金を投入していく政治に変わっていく中で、やめてしまったのかなぁと感じます。

私の一般質問の話に戻りますが、市は他にもこんな答弁をされました。
「中川に予定されている治水対策は浚渫だけではない。中川・綾瀬川河川流域改修促進期成同盟会から毎年築堤の嵩上げの要望をしている」「市長からも江戸川河川事務所長に嵩上げについてお願いしている」「江戸川河川事務所では、弥生橋から旧市役所付近までの左岸については水位上昇時の流加能力を確保するために、左岸側の樹木の伐採を令和元年度にやっていた」「今後とも治水対策として、国の方には働きかけ、要望等していきたい」と。

確かに高久の堤防の嵩上げは、多くの市民が待ち望むところだと思います。
先日も、悲鳴にも似たお電話をいただきました。
「早くやってほしい」「何で早くできないんだ!」と。
堤防の強化は下流からやらないとダメだということは重々承知しています。
下流の三郷や八潮の方が先だとは思いますが、計画はあるもののまだまだ着工にも至っていない、先の長い話です。
流域にお住いのみなさんの不安な気持ちを思うと、胸が痛みます。
やっぱりすぐにできる対策、浚渫を、それはそれでやるべきではないのでしょうか。