同意のない性行為は犯罪!性犯罪にかかわる刑法の改正を

2020年07月14日

オンラインイベント参加の手軽さにすっかりとハマり、12日、またまたヒューマン・ライツ・ナウのイベントに参加しました。
『第一回〜クラファン応援〜みんなに知って欲しい!性犯罪に関する刑法の今とこれから』に続く、第二弾の企画でした。
今回のテーマは『同意のない性行為は犯罪?! 今、法改正が必要な理由』でした。

2020年の刑法改正では、「暴行脅迫要件の撤廃を目指す」と力強く話してくださったのはフェミニスト・アクティビストの本田綾里さんでした。
本田さんはご自身も12歳の時に同年齢の男性に性暴力被害に遭ったというご自身の経験を話してくださいましたが、それは私には非常にショックな話でした。
12歳前後の男の子が同年代の女性をレイプする感覚って、想像することができません。
どんな生い立ち・環境の中に育ち、どんな価値観を持ってその男の子は育ったのか、誰かから大切にされた経験があるのか・・・、すごく気になります。

性暴力とは究極の人権の侵害であり、そういう認識を持ってこの問題をとらえていかなくてはいけない・・・。
そして日本人の人権意識はまだまだ低く、性の問題では「いやよいやよも好きなうち」という言葉に代表されるように、「いや」と言われても強引に一方的に行為が推し進められてしまう、そんな状況が続いています。
No means No !
このことがもっと自覚されて行かなくてはいけません。

刑法177条では、性暴力を立証するためには「暴行脅迫」要件が求められています。
暴行脅迫があった事実を、被害者はどのように立証したら良いのでしょうか。
骨折でもしていなければ、暴行を受けたと証明できないのではないか。
強迫されたと、どうやって立証すれば良いのか。
被害に遭うその前からあらかじめ被害を予想して録音でもしていない限り、証明できません。
今の刑法ではこんな無茶な、現実に合わないことの証明が求められています。
また刑法178条では、被害者が心神喪失状態もしくは「抗拒不能」、どんなに努力しても抗うことはできなかったと、これも被害者自身が証明しなくてはなりません。
一体どうやって証明すれば良いのでしょう。

スウェーデンでは「自発的に性行為に参加」していない性行為は、性暴力と明確に決められています。
カナダでは「同意のない性行為は全て性暴力」とされています。

日本の刑法も、性同意年齢をまずは17歳に引き上げること。
そして本人の意志に反して行われた性行為を、性暴力と認めること。
「Yes means Yes 」、性行為を行っていいのは本人が同意したときだけということを徹底するべです。
更に「抗拒不能」とはどういうことなのか、きちんと明確にするべきです。

本田綾里さんのお話は、こんなお話だったと思います。

他にも3人の方がお話をしてくださったのですが、心に残ったのはシオリ―ヌさんのお話でした。
シオリ―ヌさんは助産師で、性教育のYouTuber です。

大学を卒業後、年に1000件以上出産がある総合病院に勤務していましたが、そこで産婦さんたちに避妊についてお話をする中で、一度出産しているのに避妊のことを何も知らない人が多いことに気づきました。
また、腹痛を訴えて救急搬送されてきた高校生の女の子の痛みが実は陣痛で、病院到着後まもなく出産したという女の子は、自分が妊娠しているとの自覚も全くありませんでした。
そんな経験を通し、シオリ―ヌさんは性教育に関心を持ち、特に思春期の今まさに性教育を必要とする人々に性教育を行うことの必要性を感じたそうです。

そして今、シオリ―ヌさんは精神科の児童思春期病棟で働いているそうですが、こういった病棟に入院している女の子たちが、性にまつわるトラブルに巻き込まれるリスクが非常に高いと感じているそうです。
性教育の中で、安全・健康に生きる権利などを教えてもらっていない。
避妊方法や、レイプされたときの対処方法、緊急避妊方法なども教えてもらっていない。
そもそも、自分を大切にするということを教えてもらっていない・・・。
自分を大切にと性教育では教えますが、自分を大切にできる人は自分が大切にされた経験がある人。
身近な大人が自分を大切にしていない中で、自分だけ自分を大切にするのは難しい・・・。
自分を大切にすることを教えるためには、社会にいる大人が子どもの権利を大切にする姿勢を見せることが必要だと、シオリ―ヌさんは訴えました。

今、シオリ―ヌさんは中学校などで性教育の講演活動をしています。
が、学校からは「あまり具体的な話をしないように」と求められるそうです。
そんな中で、シオリ―ヌさんは昨年から性教育の動画の投稿を始めたそうです。
なんとフォロワーが12万人もいるそうです。
「性教育は人権教育、自分と相手の権利を尊重し、自分の人生を主体的に選び取っていける社会を子どもたちの残したい」と語る、シオリ―ヌさん。
すごく素敵でした。