国民健康保険税、子どもの均等割は18歳まで対象拡大を

2021年12月22日

12月議会では、吉川市国民健康保険税条例の一部を改正する条例案が提案され、全員一致で可決しました。

高すぎる国民健康保険税、本当に深刻な大問題だと思います。
当議員団が毎年行う市民アンケートでは、「あなたが市に望む施策は?」との問いへの回答で最も多く寄せられるのが「国保税の減額」です。この秋行ったアンケートでも、同じ結果でした。
他の健康保険と比べても高すぎる国民健康保険税に対し、全国知事会や市長会からも「財政基盤の強化を図るため、国の責任において国保関係予算の所要額を確保」するよう、要望が出されています。

とりわけ生まれたばかりの新生児にも賦課される「均等割」は、子どもの人数が増えれば増えるほど負担が大きくなり、子育て支援にも全く逆行する大問題だと思っています。
「均等割」とは「人頭割」、つまり頭数で割った額を負担するという考え方です。
そして、「人頭割」という考え方は飛鳥時代の租庸調に端を発する考え方だそうです。

租庸調というのは非常に重い負担の税だったとのことで、特に「運客」、調・庸を都に運ぶ際には往復の食費は自分持ちだったので、途中で餓死する人が相次いだとか💦
雑徭というのも大変重い労役で従事している間は給料も食料も提供されず、農家の没落や離散を招く要因になっていたと考えられているそうです。
そして現在の国保の均等割、生まれたばかりの新生児にまで課される人頭税は、その租庸調よりも重い負担です。
租庸調でさえ6歳以上の子どもを対象としていて、生産能力のない子どもは対象外でした。
この重税を解決するべく、多くの国民・保険医療団体や労働組合、日本共産党は子どもの均等割りの廃止を求め続けてきましたし、一昨年には全国知事会・市長会も国に対し、これを求めました。

こうした活動がようやく実り、来年4月からは子どもの均等割りが未就学児に限ってではありますが、半額に減額されることとなりました。
12月議会に提出された改正案は、この未就学児の均等割の減額をいよいよ本格的に進めるためのものでした。
無事に可決して、本当に良かったと思っています。

ただ同時に、未就学児に対する措置だけでは不十分だと思っています。
学齢期に達し、子どもにお金がかかるようになったころには均等割の重い負担がのしかかる仕組みなのです。
本当に子育て支援を考えるなら、高校を卒業する18歳までを対象とするべきだと思います。

私は一般質問で、市独自に18歳までを減額対象とするように求めました。
18歳までを対象とした場合の人数は950人で、その費用は1600万円。
その費用を国保会計の中で賄おうとすれば、その分ほかの国保加入者の負担を増やすことになるのでできないというのが市の答弁でした。
確かに、減額する分を国保加入者の負担で賄おうとすれば、それでなくても負担の大きい国保税をさらに引き上げることにしかなりません。
公費の投入が求められていると思います。
それを主張すると、今国保財政は「国保の赤字解消」と言って、国保に一般会計から繰り入れているお金を「赤字」だとして、一般会計からの繰り入れをやめる方向なのでその方針に逆行するからできないというのが答弁でした。
その言い分は、もちろん理解しないではありません。
ただ、今問われていることは国保加入者の税負担があまりにも大きく、子育て支援に逆行しているという事実です。
子育て支援を充実させて、国保加入者も安心して子どもを産み育てられる環境を確保するためには、市独自に公費を投入するくらいの姿勢は求められているのではないかと思います。
国の方針に従順に従うのか、それとも子育て応援の街づくりを進めるのか、その姿勢が問われているのだと思います。