子どもの貧困対策、首長としての役割は?

2021年03月13日

またまた3月議会、代表質問の話です。


吉川市では昨年、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校の休校により影響を受けた子供たちに対して、いち早く「子ども応援配食」が取り組まれました。
3 月 9 ~3 月 23 日に実施されましたが、その後休校の延長に伴い、第二段(4月13日~5月1日)・第三段(5月7日~29日)まで取り組まれました。
社会福祉協議会 ・児童館ワンダーランド・③中央公民館 の3カ所で、無料で配布されました。

年末12月25~27日には、「吉川市年末フードパントリー」が取り組まれました。
企業・団体・市民からの寄付、民生委員・児童委員、市社会福祉 協議会職員、市職員によるフードドライブにより集めた食品を、よしかわ地域食堂ネット ワーク・吉川青年会議所やボランティアの皆さんが、222 世帯の方へお渡ししたということです。
その他にも7日には、「吉川市年末フードパントリー」が取り組まれました。

企業・団体・市民からの寄付、民生委員・児童委員、市社会福祉 協議会職員、市職員によるフードドライブにより集めた食品を、よしかわ地域食堂ネット ワーク・吉川青年会議所やボランティアの皆さんが、222 世帯の方へお渡ししたということです。

その他にも新型コロナ感染症の影響を受けているひとり親世帯を支援するため、「ひとり親世帯臨時特別給付金」(基本給付:1世帯5万円、第2子以降1人につき3万円 追加給付:1世帯5万円)や、家計応援こども券(支給対象者が監護または養育する児童1人につき5,000円の商品券)などが取り組まれました。

こうした取り組みは大切なものだったと思っています。
ただ、本来行政がなすべきことは、国や県と力を合わせ、貧困にあえぐ子どもをなくすことだと思っています。
なぜ「7人に一人もの割合で貧困状態に置かれた子どもがいなくてはいけないのか」という問題の根本にメスを入れ、貧困の無い社会をつくることだと考えます。
市長の見解を問いました。

市長の答弁は「国・県・市町村、それぞれの役割があると思っている。社会構造の変革よりも、まず目の前にいる子どもたちへの支援無くして何も始まらないというのが私たちの考えであり、基礎自治体の役割であると考えている」というものでした。

目の前にいる困窮する子どもを支援する、そのことについては何の意義もありません。
きちんと支援するべきだと考えています。
しかし市政を司る市長という立場の方には、もう一歩進んで、子どもの貧困の無い社会をどう作るのかというところにまで踏み込んでいただきたいと思います。

コロナ禍が炙り出したのは、この40年ほど世界を席巻してきた政治・経済原理である新自由主義の限界だと多くの人が指摘しています。
新自由主義は公共政策など国家の役割を縮小し、企業の税負担などを軽減して市場での経済活動を最優先させる立場です。
新自由主義という明るく輝く未来をイメージさせる言葉とは全く裏腹に、保証されているのは企業が儲ける自由です。
その一方で働く人々の賃金の引き下げや、非正規雇用化が推し進められてきました。
今や、非正規雇用は2000万人を超えした。
大企業・富裕層の負担軽減と引き換えに、格差と貧困が深刻化しました。
子どもの貧困(子どもだけではありませんが)、貧困がこうした社会のゆがみの中で起きているという事実に、きちんと目を向けるべきだと思います。
新型コロナウイルスの問題が炙り出したのは、こうした社会のゆがみです。
子どもたちを企業の儲けの犠牲にするのではない、一人一人誰もが幸せに暮らせる社会を作っていく、そのために国に対し発信・発言をしていく・・・。
自治体の首長には今こそそういう姿勢が求められていると思います。
市長の見解を問いました。

「私が共産党さんのイデオロギーがどうのといったところには全く興味がないので、そこにはお話はありません」とのことでした。
また、「私自身が声高にこうあるべきだと語るのではなく、問いかけをすることで様々な価値観がありますから、様々な方法を皆さんが考えていただいて、今までのやり方とは違う生き様を作り上げていきたいなと考えている」との答弁でした。

(。´・ω・)?
新型コロナウイルスの問題で新自由主義社会の限界が見えたと考えているのは、共産党だけの特別なイデオロギーなのでしょうか。
市民が安心して暮らしていくために、貧困などない社会にしていくために政治家として何をしていくのか・・・。
そうした指針無く、市民に考えるように促すだけで社会が良くなっていくはずがありません。
どういうまちにしていくのか、そのために国や県に何を発信していくのか、市長として求められるのはそこだと思います。