憲法14条を守るとは~小川たまかさんのお話in憲法集会

2022年05月03日

今日は5月3日、憲法記念日です。全国各地で、様々な集会やアクションが取り組まれました。
私は有明で開催された、「改憲発議許さない!守ろう平和といのちとくらし 2022 憲法大集会」に参加しました。
大切にしている一眼レフカメラCannon EOS KissX7を持っての、3年ぶりのお出かけでした。
結構良い写真がたくさん撮れて、満足しています。

集会でのスピーチ、共産党委員長の志位和夫さんや社民党の福島瑞穂さんのお話も深く納得しましたが、ジェンダー問題で活躍中のフリージャーナリスト小川たまかさん、ジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子さんのお話、本当に良かったです。
ここでは、小川たまかさんのスピーチをご紹介します。
私は小川たまかさんの本も読んだし、ジェンダー平等のオンライン学習会などでも何度も小川さんのお話を聞いたことがありました。が、憲法集会に登壇されるとは思いもよらず、新鮮で、とても良いスピーチだと思いました。

家父長制が大好きな人たちがめちゃくちゃ嫌う、ジェンダーの話。

普段文章を書くことが多くスピーチは慣れないので、スピーチのコツを検索してみた。
「相手が女性なら、男性は問題解決脳で暮らし、女性は共感脳で生きる。女性のかける励ましの言葉は男性を飛躍させる力がある、そんなテーマがあるでしょう」と出てきた。
ひどくないですか?
こういうことにいちいち意義を唱えていると、「くそフェミ」だとか「ブスのババア」とか言われる。
しかしいちいち言っていかないと、日本の社会の中にある女性へのステレオタイプは変えられない。
すごく偉い地位にいる男性の方々の耳に私たちの声はなかなか届かないから、いくらでも言っていくしかない。

数年前に参加したあるパーティで、知らない男の人二人が話をしていた。
色んな人と話す場所だと思い、その男性に「何を話しているんですか」と話しかけたところ、男性の一人が「芸能ニュースの話をしている」と答えた。
一緒に芸能ニュースの話題を1分くらいした後、その男性は「本当はビジネスの話をしていたけど、君はわからないでしょ」と言った。
初対面の男性で、私のことは外見から得る情報しか知らない人。
私が男性だったら、どんなにバカそうに見えても、若くても、そんな風には言われていないと思う。
そんな舐めた口はきいていないと思う。
それが女性差別・女性蔑視。
相手が男性なら失礼で言えないことを、相手が女性だからと言ってしまう。
それが女性蔑視。
女性差別とか女性蔑視と聞いてピンと来ない人たちにわかりやすく説明するのであれば、要は「舐めている」ということ。
弱いものと思われて、舐められている。女性が。

外交や経済の方がジェンダーより大切と考えている人がたくさんいる。
そうかもしれないが、オンナはまず社会的性差の問題を乗り越えなければ、外交や経済を語る土俵にも上がれない。
女だって性差別とかセクハラを含む性暴力の話ばかりしなくても良い社会なら、どれだけ良いかと思う。

憲法14条には、「全ての国民は法の下に平等であり、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と記されている。
本当に素晴らしい条文で、守っていかなくてはならない。
しかしこの一文を守るということは、常に闘いでもある。

保育園が足りない、以前待機児童の問題があると記事を書いたとき、「もう女性差別なんてない。古臭いことを言うな」という反応があった。
通学電車の中で学生が痴漢に遭うという問題を描いたときは、「痴漢よりも冤罪の問題を取材しろ。男性差別を言うな」という反応があった。
「このクソフェミが!黙ってろ!」と言われ、性暴力をなくしたいという記事を書いて「クソフェミ」と言われるなら、クソフェミでいい。
でもやはり目立つところに出て女性差別を訴えるとひどいことを言われるので、声をあげられない女性はたくさんいる。
モノ言う女性が叩かれて、バカにされて、そのバカにされる女性を見て口をつぐむ女性がたくさんいる。
この状況こそ、日本の女性差別の実態。
フェミニストの一挙手一投足を監視して、上げてもない足を取って、デマを流し、誹謗中傷し、口を塞ごうとする人たち。
その人たちの姿こそ、よく見てください。
その人たちの言動こそ、よく観察してください。
それが女性差別の実態。

リベラルの中からも排除されそうになるフェミニストの話を、ちゃんと聞いてください。
女性だけではなく、障がいのある人や外国人、性的マイノリティなどマイノリティな人たちが声を挙げたときの、潰そうとする力の陰湿さに注目してください。
余裕があれば、一緒に戦ってください。
今ここにいる女性のみなさん、3歩下がらないでください。
遠慮しないでください。謙虚にならないでください。
前に出て喋りましょう。
私たちの声を響かせていきましょう。
それが憲法14条の理念を守ることだと、私は思う。