教育支援センター「宇宙(そら)」にお邪魔させていただきました(⋈◍>◡<◍)。✧♡

2021年11月22日

1カ月近く前の話になってしまいましたが、先月29日、吉川市教育支援センター「宇宙(そら)」に伺わせていただきました。

宇宙について、市のホームページには「不登校の状態または傾向のある児童生徒に対し、学習や体験を通して、集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充等、社会的自立に向けた支援を行っています」と紹介されています。学校に行かない(行けない)子どもたちの、「居場所」の一つという感じかと思います。

宇宙については、この間私も何度か議会でも取り上げさせていただき、様々な要望をしてきました。
その一つが宇宙の上につく冠のような言葉、昨年度までは「適応指導教室」でした。「学校への適応を指導する教室」という冠は、子どもたちに学校復帰を求める印象が強く、学校に行かない(行けない)子どもたちのありのままを受け止める印象の薄い言葉でした。もちろん、職員のみなさんがそんな姿勢で働いているという意味ではありません。むしろ、職員のみなさんの思いとは裏腹に・・・という感じです。
この名称の変更も昨年の12月議会で要望したのですが、今年から「教育支援センター」と変更されました。
また、スペースの半分が暗い色の(確か濃い茶色)アコーディオンカーテンで仕切られ、カーテンの向こう側は選挙管理委員会の荷物が置かれていました。そのため、宇宙のスペースは圧迫されている感じで、とても狭く感じられました。
そこに学校の教室と同じように机が並べられていて、これが学校に行かない(行けない)子どもたちの居場所として適当なのかと疑問に感じてしまいました。
子どもたちが過ごす場所なのに本もなく、教材も少なく・・・。

議会の中で取り上げてきたこうした問題は、この間大きく改善されました。
「適応指導教室」は「教育支援センター」に変わりました。
選挙管理委員会の荷物はほかの場所に移され、宇宙のスペースが広くなりました。また要望した通り市立図書館からの団体貸し出しが実行され、本が置かれるようになりました。教室の机だけでなく、ソファーも置かれるようになりました。

・・・という状況を議会では確認してきたのですが、コロナもあり、なかなか直接お伺いする機会がなく、どのように変わったのかをこの目で確認するチャンスがずっとありませんでした。
感染状況が落ち着いているのでこの機会に・・・と、不登校の問題に取り組むみなさんと一緒にお邪魔させていただいたのが10月29日のことでした。

行ってみて、以前とは全然違う雰囲気にとても驚きました。
スペースを仕切るためのアコーディオンカーテンは今もあるのですが、その色が水色かな?淡いきれいな色のカーテンで、とても心地よい印象を与えるものに変わっていました。
本が増えていました。これは図書館からの貸し出しに加え、職員さんが読み終えた本を持参してくださったということでしたが、とにかく本がとても豊かになっていました。
教材もそれなりに置かれていたり、ちぎり絵だったように思いますが、通所しているお子さんたちが作った様々な作品が展示されていました。その作品がまた素晴らしく、驚きました。
この写真は市のホームページからいただいたものでしたが、こんな感じの素敵な作品が並んでいたんです。

キャッチボールやバドミントンなどの遊具も置かれていました。
センター長の「ここは学校と同じ教育の場。教育の目標は子どもたちの人格の形成。体を動かすことも大切」という言葉がとても印象的でした。そして子どもたちの人格の形成を大切にすればこそ、勉強も体を動かすことも、また創造的な活動をすることも大切にされているのだと感じました。
こうした遊具(?)はコミュニケーションの苦手なお子さんとのコミュニケーションツールとしても重宝され、ほかにもゲームやダンスなどでのアプローチもされているそうでした。
そうそう、今年からは農業体験もできるようになったそうです。

センター長や職員のみなさんの姿勢がとても温かく、素敵でした。
子どもたちには「所属感」が必要だし、誰かに認められないと前進できない。小さな成功体験の積み重ねが大切。
真心を込めて子どもたちを育てたい。
子どもたちに良い人生を送ってもらいたいと熱く語るセンター長は、以前は生徒指導の第一線で様々な問題を起こす生徒さんたちとガチンコに向き合ってきた先生だそうです。
令和の「金八先生」みたいな印象の方でした。

今回改めて思ったことは、宇宙の職員のみなさんはとても頑張って学校に行かない(行けない)お子さんたちに向き合ってくださっているということ。
一方で、それでもまだ決して十分ではなく、本などは職員さんが自分の本を持ち込むのではなく「人格形成の場」としてふさわしいだけの本をそろえてほしいと思いましたし、学習の場として考えるなら調べもの学習ができるだけの図書は最低限必要ではないかと思いました。
タブレットが一人一台使えるようにはなりましたが、子どもたちの興味・関心を引き出すきっかけとしても本はとても大切ではないかと思います。
バドミントンやキャッチボールはセンターの裏側の駐車場などで行われているそうですが、とても狭いスペースです。
体を動かすのに十分なスペースが必要だと思いました。
また、内容が充実してきたとは言っても、宇宙に通えるお子さんは不登校のお子さんの一部にすぎません。宇宙に通えず、ほかのフリースクールにも通えないお子さんの方が多いのが現実だと思います。
不登校のお子さんの居場所を宇宙だけに限らないで、いろんな居場所を作っていくということもまた大切ではないかと思いました。