映画『時の行路』

2020年09月19日

埼玉市民会館浦和で、神山征二郎監督30作目の映画『時の行路』の上映会が開催されました。
以前から絶対に観たいと思っていた映画です。
リーマンショックの影響で派遣切りにあった派遣労働者たちが、立ち上がり、さまざまな苦難を乗り越えて企業を相手取り裁判を起こし、闘っていく話です。
実話に基づく映画です。

「リーマンショックの影響」との名のもとに、いとも簡単に首を斬られていく派遣労働者たち。
その人たちにどんな暮らしがあり、何を支えなくてはならない人たちなのかは一切考慮されることもなく、一つの部品のように首を斬られていく現実。
それをおかしいと勇気を振り絞って行動を起こし裁判に訴えても、裁判官も企業の味方で、弱者の立場には立ってくれない・・・。
勇気を振り絞って証言台に立った企業側の元職員の証言も、全く尊重されることもなく。
立場の弱い人間は、何をよりどころとして生きていけばいいのか。
立場の弱い人間は、企業にとってはただの部品に過ぎないのか。
立場が弱ければ、使い捨てられても当たり前なのか・・・!!!

2008年に始まったリーマンショックに焦点を当てた映画です。
でも今、コロナ禍の中での解雇・雇止めは5万人以上に上り、女性労働者や立場の弱い人ほどその犠牲になっているというのも事実だと思います。
立場の弱い人々が、企業の経営の安全弁として使い捨てられていくという現実は、今も何ら変わっていないのではないかと感じます。

ひとり一人の労働者が大切にされる社会をつくっていきたい、そのために努力する人間の一人でありたいと思います。