淋しいなぁ

2020年07月05日

田舎の伯母の家の、向かいのおじさんが亡くなりました。
・・・そう書くと、なんだか変な言い方になってしまいます。

高校時代、3年間を過ごした伯母の家。
私がその家を出た後建て替えたので、私の部屋はとっくになくなってしまったけど、それでも私にとっては帰るべき家でした。
伯母が家にいようがいまいが、私にとってはいつでも気楽に帰れる空間でした。
好きな時に帰り、好きなように冷蔵庫を開けてビールを飲み、友だちを招いたり、伯母と二人で夜遅くまでお喋りしたり。

その伯母が95歳で亡くなったのは、去年の4月。
今年は姪っ子甥っ子のいとこ会で1年祭をする予定でしたが、コロナの感染が広がる中で、それも中止となりました。
1年祭が伯母の家に泊まる最後のチャンスだと思っていましたが、そのチャンスを逃したまま、伯母の家には別の人が住み始めました。
私にとって、帰る場所はもうありません😢

先日亡くなったお向かいのおじさんも、とってもお世話になった人でした。
高校生の頃は伯母が仕事で忙しかったので、お向かいの家でご飯をご馳走になったことも何度もありました。
ご家族で出かけるときに、一緒に行こうと言って連れて行ってもらったことも何度あったかしれません。
お元気なころは、田舎に帰るたびにおじさんにもおばさんにも優しく声をかけていただいたものでした。
田舎のそういう人懐っこさや温もりが嬉しくもあり、でも煩わしくもあり・・・。
それで私は、高校を卒業したときから一度も田舎で暮らそうと思ったことはありませんでした。
だけど、あの温もりはいくつになっても温かく、懐かしく・・・。

告別式に行きたいと思いましたが、コロナの問題があるので諦めました。

お向かいのお兄さん(今ではおじさんだけど)も大切な飲み友達だったけど、もう一緒にお酒を酌み交わすこともないんだろうな。

母もいるし、お墓もあるし、これからもまだまだ何度も田舎に帰ると思います。
だけどその時泊まるのは駅の近くのホテルとか、近隣に散らばる観光地とかで、伯母の家ではありません。
好きな時に帰って、好きなだけ他人の温もりに触れて、そして好きなだけお酒を飲んで・・・。
そういう長い間私の楽しみだった一つの時間が、もう終わってしまったんだなぁと今更のように感じます。
淋しいけど・・・。
そうやって、人は年を重ねていくのかなぁとしみじみ思う今日この頃。