窓口払いわずか70円!老健入所者の病院受診、驚きの仕組み(@ ̄□ ̄@;)!!

2021年12月07日

10月に狭心症で緊急入院した母は11月初めに無事に退院し、先日フォローアップのための受診をしました。
血液検査と心電図検査後主治医の診察を受け、会計窓口で支払いをしましたが、その金額がなんとわずか70円(@ ̄□ ̄@;)!!
驚きの安さでした💦💦
なぜこんなに安いのかと思ったら、老人保健施設入所者が医療機関を受診する場合の特別なルールによるものだとわかりました。

基本的に、医療保険と介護保険を同じ日に利用することはできません。
そして介護保険の対象者は医療保険よりも介護保険が優先されます。
それから老人保健施設には常勤の医師が1人以上いることが認定要件とされていて、その医師が入所者の主治医ということになっています。
ということから、入所中は基本的には医療機関の受診はできず、必要な医療は老人保健施設が提供することになっています。
なので、施設でもできる検査や治療については入所中の施設が全額(保険給付分も含めて)支払うことになり、施設ではどうしてもできない部分に関してのみ医療保険で請求されるということだそうです。
今回母が支払ったのは再診料のみで、それが70円。
採決と心電図についてはあとで病院から施設に直接請求が行き、施設が支払うことになるそうです。もちろん、本人や家族にその支払いを転嫁することはできません。丸々、施設の持ち出しです。

私は今まで医療保険と介護保険の同日請求が基本的にできないということは知っていましたが、必要があれば、そして法人が別であればできるのだと思い込んでいました。
が決してそういうことではなく、老健入所中の受診は基本できないし、すれば施設の負担が増えてしまうだけだということが初めてよくわかりました。

何故かというと、医療機関なら○○の検査、△△の治療、□□の処方…と、処置や検査や処方をすればするだけ保険請求が増え、患者の負担も増えますが医療機関の収入も増えます。
が、介護保険施設ではどの検査をしようがどの治療をしようが収入は増えず、施設に入るのは一日の入所料金だけです。
だから治療に力を入れれば施設の出費が増え、経営に負担がかかる仕組みになっているのです。

それでも今母が入所している施設は医療を重んじてくださるので、とてもありがたいことだと思っています。
が、施設の姿勢によっては、医療にかかる負担をなるべく低く抑え、余分な出費をできる限り抑えるという道を選ぶ施設だって当然ありうると思います。
例えば法人全体の経営が厳しければ、自ずとそういう方針をとらざるを得ないのではないでしょうか。
入所者に医療が必要だとわかっていてもできる限り提供を抑えるか、そういう人は初めから入所を断るか・・・。

高齢者の入院の長期化を防ぐために「老人保健施設」という、病院と在宅の中間のような施設を作りました。
確か1990年代の中ごろのことだったと思います。
病院と在宅の中間のような性格で医療的な機能を果たすことも求めながら、そもそもは医療費の削減が目的の施設なので入所費用は安く抑えられ・・・。
「高齢者を生かさず殺さず」。
そんな仕組みの中に位置づけられているような、そんな風に感じてしまいます。

認知症が思っていた以上に重い母は、もうすでに入院していたことなどすっかりと忘れ果て、「私はいったいどこが悪いの?」「そんなに悪いなら、そのまま死なせてくれれば良かったのに」と、「長生きしたばかりに、こんなところに連れて来られて・・・」「たるい」と泣きます。
もし認知症がなくて、自分のおかれた状況をもっと客観的に見ることができたなら、命を重んじてくれる場所で最期の時間を過ごせることにもっと感謝できるでしょうに・・・。
残念だなぁと思います。