避難所対策の充実を

2020年10月11日

台風14号は伊豆諸島南部に記録的な大雨を降らせましたが、人的な被害はなかったとの報道です(まだ予断は許されませんが)。
今回の台風は時速15キロと自転車並みの速度で、被害が大きくなるのではと予想されていました。
Yahooニュースで読んだのですが、昨年10月、関東・甲信・東北地方に甚大な被害をもたらした台風19号は、10月の台風の平均時速より39%も遅かったそうです(10月の台風の平均時速61.6km/台風19号は時速37.5km) 。
そして今回の14号は、それよりも更にずっと遅い速度でした。
地球温暖化と台風の移動速度は関係があり、温暖化が進めば台風の速度もゆっくりとなり、その分だけ被害が大きくなることが予測されるとのことです。
温暖化を防止することが何よりも大切だとは思いますが、同時にやはり、どんな豪雨・水害にも耐えうるまちづくりを進めていくことが大切だと思います。

9月議会の一般質問では、私は感染対策を考慮した避難所対策について質問しました。
3月議会で確認した市内の避難所17カ所の最大収容人数は9,867人(今は吉川中学校が開設されたので避難所は18カ所) 。
6月議会後に開かれた議員と職員の意見交換会で確認した、コロナ禍での収容人数はわずか1800人。
今はコロナ感染を考慮したソーシャルディスタンス、三密の回避が求められていますが、東日本大震災では避難所でインフルエンザが蔓延したという事実を思い起こせば、コロナの問題があってもなくても避難所のソーシャルディスタンスは求められるのだと思います。
そしてそう考えると、市の避難所収容可能人数は1800人なんだと思います。
避難所が全く不足している現状に対して、市はどのように考えているかを問いました。

市の答弁は、「今年の4月に内閣府から避難所における新型コロナウイルスへの更なる対応として、親せきや友人の家などへの避難の検討や可能な限り多くの避難所を開設することが示された」「ホームページや広報誌で、在宅避難や、親せき・友人宅への避難など分散非難について周知している」「民間事業者と一時避難所としての施設利用について調整をしている」とのことでした。
私も3月議会でマンションや商業・工業施設との契約締結を要望しましたので、前向きに調整されていることについては安心しました。

中川の水害発生が最も懸念される地域の避難所の収容可能人数を確認しました。

昨年の台風19号で非難した人数は、中曽根小学校399人、中央公民館122人、ワンダーランド23人です。


台風19号と同じ規模の台風にさえ、今の避難所では対応しきれない状況です。
もし大きな台風または豪雨が来て、避難指示が出るような状況になって、避難所に避難者が殺到したらどうなるのでしょう。
「避難所難民」が出てしまうのではないでしょうか。
このことについて問うと、市の答弁は「収容人数を超えるとそれ以上の入場をさせるわけにはいかない状況になり、順次拡大して移動を促していきたい。また避難してきた方に対して、その方のご自宅の状況や分散非難についてご検討いただく場合もあろうかと思う」というものでした。
しかし「水があっと言う間にきた」というのが、この間の 被災地での住民の口から多く出されている言葉ではないでしょうか。
避難してきたけど、もう収容人数は超えている、他の避難所を開設するからそっちに移動…などということが、実際の水害時に可能なのでしょうか。

それよりは予め地域ごとにどこに避難するのかを決めておくべきではないでしょうか。
この地域に住んでいるのは何人、だからこの場所への避難が可能、でもこれくらいの方には自主避難をお願いしたいというような数値的な避難計画を持たなければ、アバウトな対応となり、いざという時に 対応できないのではないでしょうか。
他の自治体では、「この地域の避難所はどこどこです」というようなことが示された看板をよく見かけます。
吉川市でもそういう計画を立てるべきだと要望しました。