東アジアの平和を考える会、「韓国を訪ねて」報告集

2020年10月15日

「東アジアの平和を考える会」は、この名の通り東アジア地域の平和について学び・考える会です。一昨年、旧満州視察を機に発足しました。
この地域の平和を考えるとき、戦前の日本の侵略・加害と植民地支配の歴史と無関係ではいられません。
史実に目を向けず、南京事件も従軍慰安婦もなかったと、日本の歴史の美しさを強調しようとする人々が、徐々にその声を大きくしようとしています。
こうした状況の中で、歴史の真実から目を背けず、時には現地に赴いて学び、皆さんにお伝えしていくことも大切に活動していきたいと考えています。

一昨年10月の旧満州を視察では、「侵華日軍第731部隊罪証陳列館」「撫順戦犯管理書」「平頂山惨案記念館」などを見てきました。
帝国主義日本が犯した残虐な歴史を学ぶと同時に、満州の広さを実感し、終戦時の混乱の中で逃げ惑った人々が幼い子どもたちを連れて帰ることができなかった現実、大量の残留孤児がうまれた現実なども肌で感じる視察旅行でした。
昨年9月は、韓国に行きました。
ユーラシア大陸の最東端に位置するこの半島を手中に収めるために、かつての日本はこの国を侵略し、その国に住む人々の人権を踏みにじりました。
それが今も続く、朝鮮半島南北分断の歴史や、長く続いた韓国の軍事独裁国家体制とその下での人民弾圧の遠因になりました。
こうした現実を肌感覚で学ぶ、意義深い視察旅行でした。

今年3月、視察報告会を計画していましたが、新型コロナウイルスの感染が広がる中で中止を余儀なくされました。
感染が落ち着いたころに改めてとも考えていましたが、収束のめどが立たない中でそれも断念し、報告集を発行することになりました。
今日、その報告集が漸く出来上がりました。
4泊5日の旅の中で、10名の参加者ひとり一人の学びや感動をしたためた報告集です。
私自身は個人的に、パソコンの不調と闘い続け、なんとか仕上げた報告集でもあります💦
関係者の皆さんに配布させていただく予定です。
まだ少し残っていますので、興味のある方、ぜひ声をかけてください。
よろしくお願いします。

メンバーの一人から、図書館にも置いてもらおうという声が上がりました。
私はちょっとびっくりして、置いて頂けるものだろうかと不安になりましたが、その方が交渉してくださって、無事において頂けることになりました。
市民が作った大切な文書を置いてもらうのは当然のことだとの、その方のご意見。
なるほどなぁと思いました。
市民が様々な場で様々な活動をして、その一つ一つを大切にする中で「文化」が育って行くのだと改めて思いました。