裁判のその前に、話し合いで解決を!

2020年03月17日

昨日の3月議会最終日、追加議案が提案されました。

吉川美南駅東口周辺地区の開発事業にあたって、市が管理することになった土地に重機やコンテナを残置して、明け渡しを求めても応じないので訴訟を起こすという議案です。
重機とコンテナは別々の場所に置かれていて、その2か所について訴訟を起こし、その裁判費用として1360万円予算を補正するという議案です。
先週金曜日に議案書が配布され、その内容について調査する時間がほとんどない中で、審議が求められました。

裁判というのは私たち日本人には、正直あまり馴染みがありません。
「訴訟を起こす」と聞くと、一般的には「何故そこまで拗れたのだろう」と考えてしまいます。
訴訟となると、お金も時間もかかります。
普通なら、できる限り訴訟などの問題にならないように、双方ともに穏便に解決しようとするのではないでしょうか。
丁寧に納得していただけるように説明をするし、相手の納得・了解が得られているのかを確認しながら話を進めていくのではないでしょうか。

それなのに、市が民間企業を相手に訴訟を起こすとなると、全く尋常な話ではないように感じます。
何故こんなにも拗れてしまっているのか、一体どんな話し合いをしてきたのか、多くの人が疑問を抱くのはその部分だと思います。

議会では自民党の吉川議員、市民の会・無所属の稲垣議員・斎藤議員・岩田議員、そして共産党の遠藤議員と私、計6人が質問しました。
最後に質問した私は、これまで5人の議員が質問をしたけれど、何故こんなにも拗れているのか全く見えてこないこと、今日提案されて今日採決を迫られているのに、全貌が見えない中では姿勢を決めかねること、わかるように丁寧に説明してほしいと求めました。
が、やはり納得のいく答弁は得られませんでした。
「それなら、もう訴えるしかない」「1300万円の訴訟費用もやむをえない」、そう思える答弁はありませんでした。

結局未来会議・公明党と無所属の二人の議員が賛成しましたが、自民党と市民の会・無所属、そして共産党の反対で議案は否決されました。

そして何故か今日の午前中、当該事業所からある議員に重機とコンテナは撤去すると連絡が入ったそうです。
なんだか、キツネにつままれたようなよくわからない話ですが、とりあえず結果オーライの議会となったようでした。

今日、用事があって越谷にある県の合同庁舎に行きました。
エントランスのエレベーターの脇に、こんなポスターを見つけました。

本当にその通りだと思います。
訴訟を起こす云々の前に、話し合いで解決するための十分な努力をしたのかどうか、そこが問われたのだと思います。
伊藤正勝議員は反対討論の中で、こんな大切な質疑の中で市長が一言も発言しない、それはおかしいと強く批判していました。
良い発言だと感じました。
ここまで拗れた市と業者さんとのやり取りの中で、市長が一体どういう役割を果たしたのか、非常に大きく問われる点だと思います。