「戦前を生きる」

2023年02月20日

 所用があって名古屋に行ったついでに、名古屋市博物館企画展「戦前を生きる」に行ってきました。
名古屋市博物館がなぜ今これを企画したのかはわかりませんが、非常に貴重な展示の数々を見させていただきました。
戦前・戦中という時代の残酷さを改めて思います。

例えば戦前の教科書に書かれた「良い日本人」。天皇陛下を敬い、忠君愛国の心をさかんにし、父母には孝行を尽くし、学校を愛し、友達は仲良くして近所の人には親切にすることが大事。
心をいつも正直にもって、内にいても外にいてもいつも行儀良くして、堪忍ということを忘れず、人と協同して助け合い、平生は倹約を守り、自然の心も深く、人の難儀を救い、生き物を憐れむ優しい心掛けがなくてはいけない・・・。
ここまで「どうあらねばならない」と決められてしまうと、とても息苦しく辛いです。

「節米は気持ち一つでまだできる」という標語が、岸田首相の「国民はまだ増税に耐えられる」との言葉と重なってしまうのは私だけでしょうか。

「ありがとう 言われぬように言うように」。
意味はよく分かりませんが、お宅の息子さん、お国のために死んでくれてありがとうと言えということでしょうか。

「君がため何をかしまん若櫻 散って甲斐ある命なりせば」。
私の受け止め方が違うのかもしれませんが、若櫻(若い男性)は天皇のために散って(死んで)こそ、この世に生を受けた甲斐があるというものだというような意味ではないでしょうか。

「大東亜築く力だこの1票」・・・。
大政翼賛会を更に前進させる選挙にしよう。そんな風に感じます。

「備えよ国防 明日への平和」。
今岸田内閣が進めようとしていることとまるで同じ、防衛力を強化して平和を築く・・・。なわけないでしょう💦
防衛力という名の軍事力を強化すればするほど、戦争への道が近づいてくる。
歴史で既に検証されている事実です。

「一人が風邪をひけば、それだけ日本が弱くなる」
風すら自由にひけない社会、なんと息苦しいのでしょう。

こんな時代に生まれなくて良かったと心から思います。
戦争が終わって、平和な時代に生を受け、生きてきたからこそ思います。この平和な時代を私たちの代で終わらせてはいけない。平和な時代を次の世代へと引き継ぐことが、私たち世代に課せられた重要な役割だと思います。