「重度心身障害者医療費助成制度の拡充を求める意見書」可決!

2021年03月20日

昨日、吉川市の3月議会が終わりました。
今議会の私が提出した意見書は、「重度心身障害者医療費助成制度の拡充を求める意見書」でした。
公明党とみらい会議よしかわの議員計6名が反対しましたが、そのほかの議員のみなさまにご賛同いただき、無事に可決したことをとてもうれしく思っています。
提案した意見書の全文をご紹介します。


重度心身障害者医療費助成制度の拡充を求める意見書 

 埼玉県議会の平成30年12月定例会で、「精神障害者保健福祉手帳2級所持者を『重度心身障害者医療費助成制度』の対象とするよう求める請願」が採択されました。
 重度心身障害者医療費助成制度は、障がいがある方とその家族の経済的負担を軽減するため、医療機関を受診した場合の医療費の一部負担金を、県と市町村で助成する制度です。「重度心身障害者医療費助成制度」の対象者は、身体障害者手帳は1~3級、知的障害は療育手帳マルA、A、Bとされていますが、精神障害は精神障害者保健福祉手帳1級のみが対象とされ、精神障害2級は対象外です。また、精神障害1級でも精神病床への入院費用は対象外とされています。
 精神障がいは見た目には分かりにくく、仕事や勉強や家庭生活が思うようにできない「生きづらさ」を抱えています。安定した生活を送るためには長期にわたって薬を服用し続けることが大事です。また症状が治まっていても再発のリスクがあります。
 精神保健福祉手帳2級所持者の多くは、安定して働き続けることが困難で、経済的に困窮している世帯が多いのが現状です。また当事者の家族も高齢化し、医療費の負担も重くのしかかっています。 
 命を守る施策として、以下の2点を強く要望します。

  1. 精神障害者保健福祉手帳2級所持者を、『重度心身障害者医療費助成制度』の対象に拡大すること。
  2. 精神科病床への入院も、『重度心身障害者医療費助成制度』の対象に拡充すること。

この意見書を提出しようと思ったのは、昨年12月に「しらこばと会」という精神障がい者の家族会のみなさまからお手紙をいただいたことがきっかけでした。
平成30年12月の県議会で採択されたことでありながら、未だに実現していないとのこと。
そして昨年7月28日には、埼玉県精神障害者家族会連合会(岡田久実子会長)が「精神障害者保健福祉手帳2級」の患者を、県と市町村が運営する「重度心身障害者医療費助成制度」の対象にして、医療機関での窓口負担をなくすよう求める8千人余りの署名を県に提出しました。 

こうした事実を知る中で私が思ったことの一つは、身体障害者手帳や知的障害者の療育手帳の保持者と精神障害者保健福祉手帳保持者との処遇の違いは不公平だということでした。
精神障がい者の方々の障害が目に見えにくく、見た目にわかりにくいからこのような扱いを受けているのかもしれません。
もしかしたら精神疾患による生き辛さや困難さが、まるで怠けているかのような誤解を受けているのかもしれません。
でも、決して怠けているのではありません。
生き辛いのも、様々な困難を抱えているのも障害によるものであり、障害に苦しむ方々が医療にかかる権利をきちんと保障することはとても大切なことだと思います。
精神疾患を患う方々は、受診し、治療を継続することがとても大切なことです。
治療の継続により、安定した状態を維持することができるのです。
生活の困窮により治療を断念する、服薬を止めてしまう・・・、そんなことがあったとしたら、それはかえって社会的な損失を招くだけだと思います。

公明党とみらい会議よしかわの6名の議員の反対理由は、どうやら「財源をどうするのか」ということだったようです。
でも、「財源をどうする」まで考えないと意見書を提出できないのでしょうか?
必要な施策を実施するにあたって、「財源をどうするのか」は県が自ら考えるべきことだと思います。
私たち市議会議員の仕事は、市民の代弁者として市民の声を市・県・国へと伝えていく、そして対処を求めることだと思います。
財源を理由に反対の姿勢を示す議員は、要するに市民の要望に背を向ける議員だということに他ならないと感じます。

このような意見書が広く県内の自治体からあげられ、重度心身障害者医療費助成制度の拡充が実現することを心から期待したいと思います。