『お父さん 戦争のとき何していたの』
もう半年近く前にたまたまこの本の存在を知り、どうしても読みたくてAmazonの中古で見つけて買いました。
『ナチスのこどもたち お父さん戦争のとき何していたの』。
ペーター・ジィフロスキー著、マサコ・シェーンエック訳、二期出版。ユダヤ人亡命者の子どもである筆者が、14人のナチスの子どもにインタビューして、1988年に出版した本です。
「いつも世の中じゃ君たちユダヤ人こそ戦争の真の犠牲者だってばっかり言ってるね。でもヒトラーが自殺したとき、生き残った人たちにとっちゃあ戦争は終わったわけだ。
ただ僕たちみたいにナチスの家庭に生まれた子供には終わっちゃいなかった。
その続きがあった」。
こんな言葉が、強く心に残りました。
「第三帝国は著名な指導者数名のみからなっていたわけではなく、事実はその反対でした。何十万人もの実直で律儀な公吏や警察官、将校、市長、鉄道員、教師などがいて、あの独裁が機能を果たせるようにとしていたのです」。
著者はこうした認識のもとに、「両親はナチスだった」と話す普通の市井の人々にインタビューをしました。
市井の人であったにもかかわらず、ナチスに加担したことに苦しんだり正当化しながら苦悩して生きる親。
そういう親の元に生まれたことに苦しみ、子どもたち自身も親を肯定したり否定したりしながら、苦悩しながら自分の生きる道を探していました。
ひとり一人の苦悩が胸に迫りました。
私の親は戦争に行かなかったし、家庭で戦争のことが話題になったことは一度もありませんでした。
戦争中に日本人が東アジア地域で何をしたかについて、もがき苦しみながら生きた経験もありません。
友人や知人からも、そういう話を聞いたことはありません。
この本を読んで、改めて「戦争」というものの受け止めが、日本とドイツで全然違うと感じました。
今日は議会は休会日でした。
予定していた会議が二つキャンセルになり、以前から気になっていたこの本を漸く読み終えることができました。
今日は議会は休会日でした。
予定していた会議が二つキャンセルになり、以前から気になっていたこの本を漸く読み終えることができました。