『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』
数日前に注文しておいたコミック本が、今日届きました。
議会中なので読むのはあとにしようと思ったのですが、包装を開いた瞬間抑えきれずに読み始めてしまい、一気に読み終えてしまいました。
『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(いしいさや著 講談社)。
文字通りよく宗教勧誘に来るあの宗教信者の家庭に生まれた、二世のお話です。
著者自身の体験に基づくお話で、その苦悩がとても率直でありリアルに描かれています。
少し前に読んだ『カルトの子』(米本和広著 文春文庫)をご紹介しましたが、そこに描かれていた内容とも全く一致するお話でもありました。
学校の普通のお友だちと放課後に遊ぶことも認められず、可愛いらしい洋服を着たいと思っても「サタンの服」と言われ、週に何回も宗教の会合への参加を強要され、親と一緒に宗教勧誘の訪問まで強要され・・・。
それを嫌だと少し口にしただけで、皮ベルトで思い切り殴られ・・・。
運動会の応援合戦、お誕生日会、七夕祭り、クリスマス会に参加することも許されず、クラス委員の選挙にさえ参加できない・・・。
クラスの友だちと仲良くすることはもちろん、恋愛もダメ。
大切な親族の告別式で、お焼香も合掌もダメ・・・。
他人様の宗教に口出しをするつもりは毛頭ありませんが、この宗教にがんじがらめにされた子どもは本当に苦しいだろうなぁと思います。
自分の意思ではなく親の意思で行動しなくてはならない。
それも小学校・中学校という、本来なら一番何も考えずに色んなことを楽しめる時期に、みんなと一緒にただただ楽しむということが許されず、親の意思に従って自分一人だけ本来なら楽しいはずのその行事への参加を拒絶し、あえて孤立しなくてはいけない状況・・・。
その胸の内を思うと、本当に胸が痛みます。
著者は子どものころから宗教に疑問を抱き、孤立しながらも図書館に通う中でたくさんの本を読み、そこでその宗教の集会が「異常」なものとして描かれている本の存在を知り、それを力に親の信仰と決別して自分の人生を生きる力を得ていきました。
でも、親の宗教に巻き込まれ、おかしいと思いながらも否定することができず、苦しみながら生きている2世はたくさんいるんだろうなぁと思います、この宗教に限らず。
安倍元首相が銃撃された事件で山上容疑者に注目が集まっています。
親の宗教に苦しむ2世がたくさんいることがもっと注目され、対策がとられるようになっていくことを願います。