『チューリップのお弁当箱』

2024年08月12日

昨日参加した平和のための埼玉の戦争展で、『チューリップのお弁当箱 昭和10年3月生まれの母の戦争体験』という本を買いました。42ページ、文字も大きいので割と短時間で読むことができる本です。

山岡小麦さんが書かれた本で、表題通り山岡さんのお母さんの戦争体験が綴られています。

山岡小麦さんが書かれた本で、表題通り山岡さんのお母さんの戦争体験が綴られています。
お母さんの戦争体験を聞きたいと伝えたところ、お母さんは「この時を待っていた」と、ウキウキと話してくれたそうです。

戦況が激化し、武器生産のための金属不足を補うために「金属類改修令」が公布されたのが1941年。45年にはその対象にアルミニウムも追加されたそうです。
そして山岡さんのお母さんは、とっても大切にしていたチューリップの絵柄のついたアルマイトのお弁当箱を泣く泣く差し出した・・・。
でもそのお弁当箱が回収される前に玉音放送が流れて敗戦を知り、それならばせめてお弁当箱を取り戻したいと回収・集積されていた運動場に走ったけれど、既に叩き潰されてぺちゃんこになっていた!!!

今年の平和のための吉川・戦争展でお話をしてくださる寿大聡さん(俳優の中野智さん)は、先日の吉川市平和の集いで、対馬丸事件を題材にした映画『満点の星』を撮影するためにウクライナにも足を運んだというお話をされていました。
ウクライナの子どもたちの夢は兵士になること。パティシエになることを夢見る子どももいたそうですが、それも兵士たちに食べてもらうためにとのこと。
戦争とは、「見たい夢を見ることができない」ということだと寿大さんは話されました。

この本を読んで、更に戦争とは自分が大切にしたい物を大切にすることすらできないということだと思いました。ひとりひとりの夢や生活や未来を破壊するものだと、改めてそう思います。

ロシアとウクライナの戦争はもう2年半にもなろうとしています。
イスラエルはガザの学校を攻撃して、100名以上の犠牲者が出ていると報道されています。
その後ろで武器を売り、笑いが止まらない人々がいるのではないかと思うと、本当にいたたまれない気持ちです。
見たい夢を見て、大切にしたい物を大切にすることができる、そういう当たり前の社会を心から願います。