『世界のはしっこ、小さい教室』
映画『世界のはしっこ、小さな教室』を観てきました。
10年ほど前に『世界の果ての通学路』という映画を観て、本当に困難な環境の中で学ぶ子どもたちの姿に心打たれました。
うろ覚えですが、野生動物が出没するサバンナを通り抜けて、まさしく命がけで学校に通うアフリカの少年。毎週月曜日に、片道4時間かけて歩いて通学するモロッコの少女(平日は寮で暮らす)。インドの少年は障害のある兄弟を車いすに乗せ、山あり川あり谷ありのようなところを車いすを押しながら通学していました。途中でタイヤがパンクしてしまったり、「通学路」と呼ぶには厳しすぎる環境の中を学校に通い、学ぶ子どもたちの姿がとても心に残りました。
私の田舎も山の中だったので、同級生には片道1時間以上かけて自転車で通ってくる人もいました。登校するときは下り坂なのでまだ良いのですが、下校するときは厳しい上り坂を自転車を押して帰らなければならず、学校に通うこと自体がとても大変そうでした。
世界には更に過酷な通学路があったのか・・・!と、驚きをもって観たことを覚えています。
それでも学ぶことに意欲をもち、確かその中の一人は将来医者になりたいと言っていたように記憶しています。
『世界のはしっこ、小さな教室』は、その映画の製作スタッフが今度は困難な環境の中で子どもたちを教育する先生たちに焦点を当てて作った映画です。
アフリカのある国では、我が子を残してはるか遠く、電気も来ていないし電波も不安定、井戸も壊れていて遠くから水を汲んでこなければ生活もできないような環境で、子どもたちに読み書きを教える先生。
広大なタイガで遊牧生活を送る子どもたちのために、トナカイの橇で子どもたちが暮らすキャンプを巡り、教育をする女性。
小学校でわざわざ「児童婚」という言葉を教えなければならないバングラディシュ。児童に来る縁談は、実はその婚姻は「契約」で親にお金が支払われる・・・。人身売買と変わらない。
我が子を児童婚させようとする親に抗い、女子に教育を受けさせようと尽力する女性。
女子がその犠牲にならないためには、女子への教育が重要。
学ぶことが未来につながる。
学ぶことで自由が得られる。
先生たちの教育に対する「信念」のようなものに、心打たれる映画でした。
SDGs、4つ目の目標に「全ての人々に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」とありますが、まだまだそんな状況にはない現実も改めて実感させられました。