エッセンシャルワーカーの処遇改善の話

2022年09月18日

介護職員・保育士・学童保育指導員などの給与が低すぎることが問題視される中、政府は今年2月から「月9,000円(3%)程度の処遇改善」に取り組んでいます。
介護職員については事業所と県とが直接やり取りをして、改善に取り組まれています。
保育士と学童保育指導員については3月議会で補正予算が組まれ、また今年度予算にも改善分が組み込まれています。
しかし保育士の人数×9,000円が補助されるのではなく、配置基準分の人数×9,000円が補助されるため、実際には9,000円はアップしないのではないかと見られていました。
また今回の処遇改善は保育士のみを対象としたものですが、調理員や事務員まで対象とするかどうかは各保育施設の判断に任されています。
もし保育士以外の職員も対象とした場合は、入ってくるお金は保育士分だけなので一人当たりが受け取る金額は少なくなってしまうということも問題視されていました。
かといって保育士だけの処遇改善をして、同じ職場で働きながら同じように給与が低いであろう他職種の処遇改善は考慮しないというのも管理者の立場から考えると非常に難しい話だと思います。
・・・ということで9,000円(3%)の処遇改善は困難だと見られていました。

12日に開催された文教福祉常任委員会で確認しました。
公立保育所では給与体系を上位に変更し、月額8,750円程度の処遇改善がなされ、ボーナスにも反映するようになっているとのことでした。
また学童保育室で働く会計年度任用職員については勤務時間が5.5時間と少し短いため、保育士の処遇改善を踏まえ月額5,500円の処遇改善となっているとのことです。
民間保育施設については、国の方針として本給又は毎月決まって支払われる手当の部分で処遇改善すること、国が示している補助基準額以上の処遇改善を実施することが求められています。
また保育士一人ひとり、どの保育士がいくら処遇改善されるのかという計画を提出することや、賃金台帳の提出により一人ひとりの保育士にきちんと処遇改善がされているかどうかを確認することが自治体に求められているそうです。
ということで、今回の処遇改善の補助金は各保育士に届いているとのことでした。
民間の保育士さんの処遇改善、2月~3月の補助金では常勤職員については平均9,860円の改善がなされたとのことでした。

報告された金額から、2月~3月、処遇改善に向けて補助金として対応された部分についてはそれなりに目標に準じた処遇改善がなされたものと認識しました。
不安に思うのは今年の10月以降についてです。
10月以降は公定価格の中に処遇改善分も含まれるということなので、2月~3月の改善がずっと継続されて実施されるのか、調理員や事務員の給与についてはどうなのかなど、引き続き注意して見ていかなくてはいけないと思いました。
また一番問題なのは介護職員の処遇改善だと思っています。
介護職員の方からは、今回の改善で一定程度は給与は上がったということと同時に、とても9,000円には届かない金額だというお話も聞いています。
市を経由しないので、現状が見えにくい状況だと感じています。
特に訪問介護事業所などのヘルパーの高齢化が問題視されていて、「介護保険制度」の持続可能性にもかかわる大切な問題だと感じています。
今後も情報を集めながら、注意して見ていきたいと思っています。