バカげた条例案撤回!

2023年10月10日

自民党埼玉県議団が、愚かでバカげた子ども虐待防止条例改正案を撤回しました。

この条例案はマスコミでも注目され、反対するインターネット署名も瞬く間に広がり、その数は2万9千筆を超えたそうです。こんな条例案が通ったら大変だと、たくさんの人が声をあげた結果だと思います。
県庁前にもたくさんの人が集まり、反対の声をあげました。
私は行かれませんでしたが、参加した友人からその様子を移した写メをいただきました。やっぱり世論は強いのだと思いました。撤回されて、本当に嬉しいです。

今回の条例改正案で、私は自分自身の育ちと子育ての両方を何度も振り返り考えました。
長男が生まれたばかりの頃はパートナー君はまだ研修医で、患者さんが就寝する9時までは職場にいるのが当然のような生活でした。毎週月曜日は当直だったし、週末にも定期的に当直が入るし。
ようやく普通の時間に帰宅するであろう土曜日、当時は携帯もなかったので一体何時に帰ってくるかもわからなかったのですが、私は息子を負んぶして「帰ってくるかなぁ」とウキウキしながら何度も何度も駅まで迎えに行ったものでした。当時、関東地方に友だちはいませんでした。
ワンオペは当たり前。
変な時間に息子が昼寝をしてしまうと、30分くらいなら大丈夫かなぁとハラハラしながら晩ごはんの買い物に行きました。大慌てで走って帰って、息子が目覚めて泣いていた時の罪悪感は今でもはっきりと覚えています。
朝、まだ寝ているから大丈夫かなぁと思いながら急いでゴミ出しに行ったり。

私の母は、私が小学校4年生の時隣の愛知県豊田市に仕事に通い始めました。
隣といっても片道1時間半くらいかかるので朝は6時半過ぎにはマイクロバスが迎えに来て、夕方も早くて7時、遅ければ8時過ぎに帰宅しました。大人がいない中で学校に行き、帰宅しても大人は誰もいなくて、姉と二人でご飯を作り、お風呂を沸かし、両親が帰宅したらご飯が食べて寝られるように準備をしました。自分たちが家族を支えているような自負もあり、強烈な記憶です。
でも私はそんな風に育ったので、多分それに近い子育てをしたと思います。多分誰もが、自分が育てられたとおりに子育てをするのではないでしょうか。
先日も書いたとおり息子たちは二人とも学童に通うことを拒んだし、私は帰宅時間が遅かったので、二人で私の帰りを待つ時間はとても長かったと思います。ご飯を作らせたり、お風呂を沸かさせたりはしなかったけど。
それはいけないことだったのか、虐待だったのか。

誇りに思うのは、長男は良いパパになったということ。長男も次男も自分でちゃんと考えて、しっかり働く大人になったということです。
家庭の在り方はそれぞれです。
家族それぞれの思いも知らずに、政治が勝手に口出しをして良いものではないとも思います。
多分みんな、これで本当に良いのだろうかと悩みながら子どもを育てているのではないでしょうか。
それを「虐待だ」と決めつけて糾弾するのではなく、より安心して子どもを育てることができるように応援することこそが政治の役割ではないでしょうか。
自民党の改正案はそういう子育て中の様々な思いに全く寄り添っていません。
そういう意味で、やっぱりバカげていて愚かなものだったと思います。撤回されたことを心から嬉しく思います。