ライフリンク主催自殺対策研修に参加しました
ライフリンク主催の自殺対策オンライン研修に参加しました。
『自殺って言えなかった』(自死遺児編集委員会・あしなが育英会編 サンマーク出版)。
この本を読んだのはもう20年くらい前のことでした。
あしなが育英会の集まりなどで、病気や事故で親を亡くした子どもたちは親を亡くした理由を口にできない。
自殺した父親が最期に電話をしたのが自分だったということを知り、そんなに苦しかったのならなぜ一言言ってくれなかったのかと苦しむ子どもたちの思いが赤裸々に綴られ、忘れることのできない一冊です。
ライフリンクを主催する清水康之さんんは元NHKのディレクターです。
2000年にクローズアップ現代「お父さん死なないで~親の自殺 遺された子供たち~」を製作したことで自殺対策や自死遺族への支援の大切さを実感し、退職。
ライフリンクを立ち上げ、自殺に関する様々な活動をされています。
『自殺って言えなかった』の出版もその活動の一環だったと思います。
私は8年前に議員になって間もないころ、地方議員を対象にした自殺対策研修に参加して、私が衝撃を受けた本をつくった方が仕事を辞めてまでこの活動をしているという事実にまた感動。
以後、ライフリンクさんの自殺対策の研修にはできる範囲で参加させていただいています。
90年代の日本の自殺者は年間3万人以上。
その後対策が強化されて、今は2万人台。自殺者が減って良かったと言ってしまって良いのか?
一度死んだ人は二度と帰っては来ない。
3万人から2万人に減ったのではなく、2万人の新たな自殺者が増えていると考えるべき。
新たな自殺者を出してはいけないのだという清水さんの考え方に深く共感しています。
そして自殺者1,000人の実態調査から、自殺した人は平均4つの要因が複合的に絡み合って「自殺するしかない」という心理状況に追い詰められて自殺を図っていることが分かっているそうです。
自殺対策とは当事者本人の「生きる」を支援すること。
「もう生きられない」「死ぬしかない」という状況に追い詰められている人が、それでも「生きる道」を選べるように支援すること。
そもそも人がそういう状況に陥ることのない地域・社会をつくること。自殺対策とは地域・社会づくりでもある。
今回も色々なことを学ばせていただきました。