介護福祉総合条例の見直し
今回の条例改定では、高齢者・障害者への福祉サービスの見直しが行われました。
- 位置情報提供サービス利用支援(徘徊の見られる方への支援)
これまでは初期費用のみ3,000円+消費税の負担でした。
今年4月からは初期費用は公費負担。
月額利用料は利用者負担へと変わります。
市が推奨している位置情報提供サービスの月額利用料は1,200円。
激変緩和措置として来年度はその半額が補助されますので、月々の支払いは600円です。
600円だとしたらそれほど大きな負担ではないと思う向きもあるかと思います。
が、物価高騰も未だに落ち着いてはいません。
そういう中での負担増です。
徘徊のリスクのある方の居場所を確認するための大切なサービスです。
利用することをあきらめる人が出なければ良いなぁと思います。 緊急時通報システム貸与
これまでは設置費用1,500円のうち500円が利用者負担でした。
今年4月からは設置費用の負担は求めず、全額公費負担としていた1,650円のうち1,150円を公費負担、500円を利用者負担へと変わります。
もう25年以上前の話になってしまいましたが、緊急時通報システムの導入を在宅療養者のみなさんにお勧めして回ったことは忘れられない記憶のひとつです。
そのきっかけは一人の高齢独居、在宅療養者の方がベッドから落ちてしまい、一晩中ベッドと壁の間に挟まれて身動きができなかったというエピソードがきっかけでした。
以来緊急時通報システムは独居・日中独居の在宅療養者の生活を支え、安心を支えてきたと思っています。
このサービスも500円の負担増ということで、大した負担じゃないという見方もあるかとは思います。
が、負担が増えるのはこのサービスだけではないという意味では、利用をあきらめる人が出ないとも限りません。
胸が痛みます。高齢者配食サービス
これまで一人暮らしと日中独居者を対象としていましたが、令和7年4月より日中独居者は対象外となります。
市の説明では、民間の類似サービスがあるということでした。
1食当たりの市の負担は310円。日中独居者が何人利用しているかは把握していないとのことでした。
私は日中、独居者への配食サービスは虚弱・要介護者を抱えながら仕事をするご家族を支える、とても大切なサービスだと思っています。
確かに類似のサービスはたくさんありますが、市がやっている事業ということでの信頼感や安心感は大きいと思います。
日中独居者が何人利用しているのか、対象外とすることでどの程度の負担軽減になるのかということを検討することもなく切り捨てる市の姿勢には疑問を感じます。寝具洗濯乾燥サービス
65歳以上の独居又は高齢者のみの世帯で、寝具の乾燥・洗濯が困難な方へのサービスです
市の説明ではコインランドリー等もあり、「実施する意義が低下している」ため廃止とするとのことです。
元々このサービスの利用者は決して多いとは言えず、私もケアマネや訪問看護の仕事の中で利用者さんにこのサービスを利用するようお勧めしたことは一度もありません。
それでも下の表のとおりの利用者さんがいらっしゃいます。
サービスを必要としている方がいらっしゃるのだと思います。
ヘルパーさんに訪問してもらって、コインランドリーまで行ってもらって寝具の洗濯・乾燥をしてもらうと
いうのもとても現実的なこととは思えません。
人の暮らしは様々で、想像もつかないような暮らしをしている人は実際にたくさんいらっしゃると思います。
そういう誰かのために、サービスを残しておいた方が良いのだと思います。
予算的にも決して驚くような金額でもなく、制度を残しておいていざという時に利用できるようにしておく
ことこそ大事だと思うのです。
市の姿勢には冷たさを感じます。