加齢性難聴者の補聴器購入費用の助成を
今年3月議会に提出され、賛成多数で採択された「加齢性難聴者の補聴器購入に市の助成を求める請願」。
その後市はどのように対応することにしたのか、早く答えを聞きたいとの声をたくさんいただいています。
「9月の広報よしかわで認知用の特集を組んだのに、認知症予防のための補聴器購入費用助成に何も動き出さない市の姿勢はおかしい!!」とご立腹の市民もいらっしゃると、人づてに聞いています。
こうした状況の中で、9月議会の一般質問で私が取り組んだことの一つは、今後の市の対応についてでした。
市は「比較的安価な集音器も販売されており、広く活用され、一定の効果が認められている」「公費によって補助すべき難聴の度合いや適切な金額を定めることが困難」「現時点では公費による助成を行うべき状況にはないと判断した」と答弁しました。
なぜ集音器と比較?
補聴器と集音器の一番の違いは、医療機器か否かということです。
管理医療機器である補聴器は購入時も購入後もプロによる丁寧なサポートが行われ、使用する人が快適な聴こえ方で過ごせるように、ケアが継続されていきます。補聴器は一般的な聴力検査での測定だけではなく、ことばの聞き取りの検査結果や家庭での生活の様子など複数の情報を総合して調整されます。
一方、集音器は家電製品で、ボリュームを大きくするだけの機能です。
全ての音のボリュームが大きくなってしまうので、聞こえにくさの改善には繋がらず、うるさく感じてしまう人も多いと言われています。
それにしても補聴器購入費用助成を求めたのに集音器を強調し、市民の願いを拒むのは何故でしょうか。
市の答弁は、「高度難聴には障害福祉サービスとして補聴器が位置付けられている」「集音器は現在非常に効果的な結果を出していて、日常生活に生かしているという声も聴く」というものでした。
しかし調査は何件したのかと質問すると「実際にお声を聞いた方はいらっしゃる」と、非常にあいまいな答弁でした。
調査件数も十分に示せないまま、集音器が活用されているから補聴器購入費用への助成は不要という市の姿勢、とても納得することはできません。
ひとりひとりの実情に沿った聞こえの保障こそ
この請願は加齢性難聴の補聴器購入を、ただお金だけ出してくれということを請願したわけではありません。
3月議会の様々な議員の意見の中でも、反対した人も賛成した人も同様に思っていたことは単に費用を助成すればよいということではなかったと思いますし、そこは一致していたと認識しています。
集音器で十分なレベルもあるでしょう。
その方は集音器を使えばよいし、何が何でも補聴器を購入しなくてはいけない、集音器を買ってはいけないという請願ではありません。
しかし補聴器が必要でありながら、高額で購入できない人に対してきちんと補聴器を購入していただくことによって認知症になることを予防し、少しでも送らせていく、そういう市の姿勢が求められる、それが請願の趣旨だと思います。
そういう立場に立った時に、集音器と比較して考えるのは失礼だと思います。
補聴器が医療機器だというところで、ただ単に買えばいいというのではなくきちんとした検査と科学的検査とに基づいた補聴器を購入して、アフターフォローも続けて、そしてその人に合ったものを使い続けていけるような仕組みを作ってくださいと言うのが、請願の趣旨だと認識しています。
そういう立場に立って考えていただきたい。集音器との比較はちょっと違う思います。
「やらない」ありきの冷たい姿勢
今議会の一般質問の中で、中原市長は来年度実施される市長選挙への出馬を表明しました。
また政治姿勢を問われ、「何かを決定するときには公平公正」「判断するときは無色透明、未来につながるかどうかで判断する」「丁寧にみなさんの意見も踏まえて判断」と答弁しました。
しかし今回の「助成しない」との判断は、本当にその姿勢が貫かれたものなのでしょうか。
1300人もの署名が添えられ、提出された請願です。
その声に耳を傾けない、冷たい姿勢を感じずにはいられません。
同じ一般質問の中で市長は、「反対意見の人のところにも会いに行く」と答弁していました。
請願を提出した年金者組合のみなさんに自ら出向き、十分な調査と話し合いの上で再度検討するべきと考えます。
年金者組合のみなさんに会いに行くように求めました。