固形石鹸とみかんネット

2020年12月27日

12月議会一般質問で取り上げた問題の一つに、小中学校や保育園・幼稚園などのみかんネットでの固形石鹸の管理の問題があります。

私自身は、石鹸派です。
以前は手作り石鹸の教室に通ったりして、手作りの石鹸を使っていました。

日本共産党吉川市議員団が行った市民アンケートには、昨年・今年と2年続けて、小中学校における固形石鹸のみかんネットでの管理について問題視する意見が寄せられました。
石鹸派の私がこの問題にどう取り組むか・・・、しばらく悩みました。
固形石鹸をみかんネットで管理して、常に湿潤した環境の中に置かれていれば、確かに雑菌の繁殖の絶好の場所となることは間違いありません。
ネットにカビが生えているということも、十分にあり得ます。
かと言って、液体石鹸が万能ということもありません。
ポンプ式の液体石鹸なら、プッシュするところに雑菌が付着するリスクは非常に高いし、本体容器を洗って乾燥させることもなく液体の追加だけを繰り返していたら、容器の中で雑菌が繁殖するリスクも非常に高いと思うのです。 

セラチア菌という、院内感染などでたまにニュースになる菌があります。
どこにでもいる菌で、少し掃除をさぼると流しやお風呂場・トイレなどに赤いカビが生えることがありますよね。その菌です。
健康な人にとっては、何の害もない菌です。
が、病気などで体力が低下した方にセラチア菌が増殖して大量に直接体の中に送り込まれてしまったりしたときに、死亡事例も出してきた・・・。
そんな菌です。
湿潤環境が大好きな菌です。
院内感染の原因の一つと考えられているのは、アルコール消毒綿です。
今はおそらくどこの医療機関に行っても、注射や採決をするときには個包装のアルコール綿を使っています。
でも10~20年くらい前は、どこの医療機関でも作り置きをして使っていました。
アルコールが飛んでしまって綿が乾燥してくると、またアルコールを継ぎ足して使っていた・・・。
そんな医療機関はたくさんあったと思います。
そのアルコール綿でセラチア菌が繁殖して、院内感染を起こしたのではないかと考えられているケースもあります。
「消毒」という行為が「感染」を引き起こす、そんなことが実際にあったと考えられています。
液体石鹸も継ぎ足し継ぎ足しで使いまわしていったら、感染源となるリスクは避けられません。

要するに、固形石鹸でも液体石鹸でも、「どのように管理するか」が一番重要だと思っています。それでも今回、固形石鹸について質問したのは、関係者の方々からもみかんネットの管理方法については確認した方が良いかもしれないとの意見もお聞きしたからでした。

学校のトイレ研究会という組織があります。
「学校トイレの実態をソフト・ハード面にわたって調査・研究することにより、児童・生徒が安心して使える清潔で快適なトイレを、具体的に提案・普及していくことを目的に、トイレ関連企業により1996年11月に発足した組織だということです。そこが既に2014年に「みかんネットと固形石鹸の落とし穴」というのを発表しています。
手洗いは、衛生管理のできていない環境で行うと、逆に菌やウイルスの汚染を拡大することが あります。 グチュグチュの湿潤環境の中で、ネットが邪魔をして、カビが発生して、それが感染源になり得るとの主張です。

一般質問では、固形石鹸のみかんネットでの管理がどの程度行われているのかと、その管理方法について質問しました。
保育所と幼稚園で4園、小中学校で8校、公園で12カ所が固形石鹸をネットに入れて使用しているとのことで、適時石鹸を補充し、汚損状況に応じてネットを交換しているとの答弁でした。
全てが固形石鹸ということではなく、基本は液体石鹸を使っているそうです。
液体石鹸のボトルを置ける棚がどうしてもなかったりした場合、蛇口のところに石鹸専用のネットをかけているそうです。
そこで手を洗いながら石鹸も洗っていると。
できる限り液体せっけんを中心に、どうしてもそうでなければならない場合については、できる限り衛生的な環境を保てるように学校側に配慮をお願いしたいとも答弁されました。

教育や保育の現場で、適切な石鹸の管理がされることを期待しています。