安倍元首相の国葬に反対します
政府が22日に閣議決定した、安倍晋三元首相の国葬に対し反対の声が広がっています。
私が所属する日本共産党は、既に今月15日に志位和夫委員長が反対の談話を発表しています。
また私も参加している『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナールも、先日の会議で反対の意思を確認しました。
その他政党では立憲民主党の泉代表、社会民主党の福島瑞穂党首、れいわ新選組の山本太郎代表が反対を表明し、「日本子どもを守る会」「日本宗教者平和協議会」「子どもと教科書全国ネット21」など多くの団体も反対を表明しています。
更に、反対する市民グループが市民グループが、実施しないよう予算の執行などの中止を求める仮処分を21日東京地方裁判所に申し立てたとの報道もされているところです。
しんぶん赤旗26日付の報道によると、中日新聞と南日本新聞が無料通信アプリ「LINE」を使って実施したアンケートでは反対が中日新聞で76・4%、南日本新聞では72・2%に上ったとのことです。
私も複数の市民の方から、「国葬反対の意思表明をしたい。どうしたら良いか」と声をかけられました。
反対の声が大きく広がっていると実感しています。
このような状況の中ですが、私も個人として改めて安部元首相の国葬に反対する意思を表明したいと思います。
内心の自由侵害に反対!
現代教育研究会代表の前川喜平氏は17日付東京新聞に、「葬儀は弔いの儀式だ。弔いとは死者を悲しみ悼むことだ。悲しみ悼むのは人の心だ。国が葬儀をするということは、国民こぞって悲しみ悼めと要求することだ。それは国が人の心に押し入り、人の心を動員することだ」と書いています。
その通りだと思います。
「弔意」を押し付け、内心の自由を侵す国葬に絶対反対です。
「国葬」の法的根拠は?
戦前の日本には「国葬令」(1926年制定)があり、国葬には天皇制の強化や侵略戦争の推進のために利用された歴史があります。
戦後、こうした歴史への反省をもとに、日本国憲法の制定にともない「国葬令」は47年に失効しました。
1968年に吉田茂元首相の国葬が行われました。
これに際し国会では、社会党の田中武夫議員(当時)が「内閣が国葬にしようと決めれば、いつでも国葬を誰にでも行う。そういうことであってはならない」と指摘。
水田三喜男蔵相(当時)が「(国葬は)法令の根拠はない」と認め、「何らかの基準というものをつくっておく必要がある」と答弁しました。
しかしその後も基準を作ることはできず、以来「国葬」は行われていません。
法的根拠もなしに「国葬」を行うことが、果たして許されることなのでしょうか。
岸田首相が挙げる「国葬」の理由
岸田首相は「憲政史上最長」の在任期間と、「国内外から幅広い哀悼・追悼の意」を国葬の理由として挙げています。
それが法的根拠もない中で「国葬」を強行する理由になるとは考えられません。
更に岸田首相は「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」とも語っています。
集団的自衛権の行使容認を閣議決定だけで決めてしまった安倍首相。
多くの国民が反対する中で、安保法制を強行採決した安倍首相。
森加計問題や桜を見る会の疑惑解明に背を向け、国会で118回も嘘をつき、民主主義の根幹である国会を軽視し続けた安倍首相。
「私や妻が関わっていれば総理も国会議員も辞める」と発言したことで、一人の誠実な財務省職員が自殺にまで追い込まれました。
安倍元首相はちゃんと民主主義を理解した政治家だったのでしょうか。
岸田首相の言う「民主主義を守り抜く」とは、いったい何を指しているのでしょう。
一体いくらかかるのか?
一部の報道では、安部元首相の国葬に要する費用は2億円とも言われています。その根拠はこれまでの首相経験者の葬儀に国が出した費用です。
安倍首相が押し広げた貧困と格差。その中で生活に困窮し、苦しむ多くの犠牲者がいます。
また今回の事件でクローズアップされた、自民党の政治家たちと統一教会との親密な関係。
全国霊感商法対策弁護士会の紀藤正樹弁護士によると、「霊感商法の被害は憲政史上最大の消費者被害と言える」とのことで、「ゆうに100万人以上の被害者が、過去に綿々と見えない形で埋まっている。その救済が経済的にも精神的にもできていないことが事件の一端にあるのではないか」との見解です。
統一教会と繋がり、選挙活動など様々な支援を受け、問題が大きいと言われ続けてきたカルト教団を放置してきた安倍元首相や政治家たちの責任は大きいと思います。
2億円もの大金は安倍元首相の国葬などに遣うべきではなく、安倍・自民党政治の犠牲者・被害者の救済にこそ遣うべきだと思います。
安倍元首相の国葬に、絶対反対です。