小学校3年生まで、市内全ての学校で35人学級が実現

2021年03月13日

現在、法律上の公立小中学校の学級編成標準は40人とされています。
民主党政権下の2011年度、小学1年生については法改正により35人学級が実現しました。12年度は予算措置により、小学2年生までの35人学級が全国でほぼ実現しました。
そのあとの安倍政権は、少人数学級の実現に対して背を向けてきました。

コロナ禍で人数学級を求める機運が更に高まりました。
菅首相は、小学校全学年を5年間かけて40人から35人に移行させる法改正案を今国会に提出しました。しかし、規模もスピードも不十分との批判は免れてはいません。
こうした状況の中で、全国15の道県が独自支援の努力を始めました。

埼玉県も現在小学校2年生までの35人学級が実現しています。
更に埼玉県では各学校に加配されている「充実加配教員」を利用して小学校3年生の35人学級を実現するか、それとも充実加配教員によるゆとりを重視するか、それぞれの学校での判断が求められました。

実は吉川市の小学校では、新3年生についてはほとんどの学校で35人学級が実現していて、35人学級を選ぶのか、それとも充実加配によるゆとりを選ぶのかの選択を求められたのは美南小学校だけでした。
現場では充実加配教員に担任を持たせてしまうと、その分のゆとりがなくなってしまうので現場がひっ迫してしまうとのことで、充実加配教員を利用しての3年生の35人学級の実現は難しい状況のようです。
文教福祉常任委員会で質問をしました。

学校教育課長の答弁は、「基本的に加配の教員を担外として当て込むのを取るか、あるいは一クラスの人数を減らして子どもたちにとって居心地の良い状態を作り上げるかという形の判断となり、後者の方を選んだという形になる」」「美南小学校については、ほかの種類の加配教員も他校と比べてさまざまなバリエーションの形でついており、対応を可能な限り考えていきたいとしたところが大きい」とのことでした。
マンモス校の美南小学校には、加配教員にもゆとりがそれなりにあったという意味だと思います。
「今までよりは状況が良くなるわけではないけれど、子どもたちの一クラスが多い状態からは脱することができるということを大切にした」との答弁でした。
市内全ての小学校で、3年生までの35人学級が実現するということをとりあえず嬉しく思います。

しかし今現在1100人を超える児童を抱える美南小学校は、今後さらに児童数が増え、1400人を超えるとも予測されています。
35人学級を推進していくには教室数が足りず、また決して広くはない校庭にこれ以上のプレハブの増設は困難だと思います。
今後の方向性について問いました。

学校教育課長は、「令和3年度については、既存の教室以外の場所を教室に転用する形で対応が可能」「このあとの推移を見ていくと、ゆくゆくは供給が間に合わなくなる可能性が高くなる。検討が必要」と答弁しました。
今後35人学級を全小中学校で実現していくために、超マンモス校といわれる美南小学校をどうしていったらよいのか、私もよくわかりません。
それでも、子どもたちを取り巻く教育環境をより良いものとしていくために、みんなで考えていかなくてはいけないのだと思います。