屋外プール廃止への条例改正案

2021年12月03日

11月30日から、吉川市の12月議会が始まりました。
今回も大切な議案がたくさん上程されています。
その一つが、屋外プールを廃止する「吉川市市民プール条例」の改正案だと思います。

長さ192m、幅6メートルの流水プール、かつてはウォータースライダーも設置されていました。
オープンしたのは1981年だったそうです。
私は1990年に三郷に引っ越してきて、子育て中は三郷市で過ごしましたが、吉川市の屋外プールには家族で、そしてママ友で誘い合って何度来たかしれません。
利用料が安い上に駐車料金は無料の屋外プールは、夏の風物詩のようにいつも大混雑をしていて、まず駐車場に車を停めることからとっても大変でした。
そのうちに県営のしらこばと水上公園もできましたが、利用しやすさでは吉川市の屋外プールは断然上でした。
吉川市に転居してきたのは次男が小学校3年生の時でしたが、その後、夏休みといえば次男は毎日のように友達と誘い合って、自転車でプールに通っていました。
多分私と同じように、屋外プールに子育て期間中の家族の大切な思い出を持っている方はとっても多いことでしょう。
そのプールが廃止されるということには、非常に感慨深い思いがします。

ただ、今回の議案提出にあたって市から出された資料を読むと、廃止はやむを得ないように思います。
利用者数が年々減っていて2000年の56,830人をピークに、一昨年の利用者数は28,552人。ピーク時の約半数です。

その要因を勝手に推察すると、子どもの数が減っていること。吉川市では美南を中心に子どもはまだまだたくさんいますが、美南と屋外プールのある会野谷とはとても離れていて生活圏が違うし、南の地域から市民プールにストレートに向かうバス便はないし、自転車で行くにも遠いし・・・。そんなことも影響しているように思います。
でも何よりも近年の夏の暑さの中、いくらプールだとはいえ、屋外で過ごすことへの抵抗は大きいような気もします。

利用者の傾向も変わってきていて、今は吉川市民よりも市外の利用者の方が多いという現実があります。

利用者が減っているので赤字が大きく、近年では毎年3,000万円を超える赤字です。

こういう中で、それでも屋外プールを継続していくというのは確かに言えないと感じます。
時代が一つ流れていく・・・。
そういう言葉で済ませてよいのかどうかは、よくわかりません。
私のパートナー君は、広報よしかわ10月号に掲載された屋外プールのパブリックコメントを求める記事を読みながら、「日本は貧しい国になったんだなぁ。こんなプール一つ修繕できないなんて・・・」と言っていました。
確かに以前の箱もの行政の時代から考えると、隔世の感があります。
本当は利用者が多かろうと少なかろうと市民の健康維持のために大切な施設と位置付け、各市町村のこうした施設を国が責任もって守っていくような姿勢が求められているのだと思います。

残念なことに今の政府はそういう姿勢ではないし、地方自治体が重い負担を背負って運営を続けていくことはできないし・・・。
そうしたことを考えると、やはり廃止はやむを得ないのかなぁという結論に達してしまいます。
残念です。