戦争と女性の人権博物館
韓国には5年前に「東アジアの平和を考える会』のみなさんと一緒に一度行きました。その時は大日本帝国の朝鮮支配の歴史や韓国と北朝鮮との非武装地帯(DMZ)、そして光州事件が起きた光州などを視察しました。また繁華街の明洞でクッキングナンタの公演や、韓国コスメのショッピングも楽しみました。
戦争と女性の人権博物館にも行ったのですが最終日でとても疲れていたこともあって、最も行きたい場所だったのに何となく不消化で終わった気がしていました。
今回は主に朝鮮王朝の歴史を楽しむ旅だったのですが、一番最初に行ったのは戦争と女性の人権博物館でした。2012年にソウルの住宅街にオープンした、「日本軍慰安婦被害者を記憶追慕し、平和のメッセージを伝えるための会館」です。
「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯」が運営しています。
無理やり連れ去られて慰安婦とされた若い女性たちの衝撃や悔しさや苦悩がそのまま閉じ込められたような空間。ハルモニが当時の苦悩を語る空間や、被害者女性たちの顔写真。
慰安所に行った若い兵士の日記やお金代わりに使った軍票や、軍から配られたコンドーム「突撃一番」などが展示され、「慰安婦」問題を決してなかったことにはできない空間です。
今回感動だったのは、地下の特設展です。ベトナム戦争に出兵した韓国軍を展示していました。
韓国軍はベトナムの民間人を虐殺し、韓国兵はベトナム女性をレイプし性的な屈辱を与えていたことが率直に展示されていました。
その事実を「韓国の恥ずかしい歴史」だと明記し、それを謝罪し被害者を慰霊する像、『ベトナムのピエタ』が中央に展示されていました。像を創った方は、「平和の少女像」を創ったキム・ソギョン氏とキム・ウンソン氏 の構想によるものだそうです。
「戦争と女性の人権博物館」は民間施設なので、韓国政府が同様の見解を出しているのかどうかはわかりませんが。今日本では歴史の真実を認めず、あったことをなかったことにしようとする「歴史修正主義者」と呼ばれる人が増えています。
でも、あったことをなかったことにすることは絶対にできません。
歴史を直視しなければ、そこから先に進むことができません。
こうした惨酷な歴史を深く胸に刻み、絶対に忘れたくないと思う私です。