政治家の倫理
市町村議員も政治家の一人と位置付けられています。
そして、政治家には守るべき倫理があると思っています。
1985年に決議された衆議院の政治倫理綱領には5つの項目が挙げられています。
その一つに記されているのは、「われわれは、全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない」ということです。
つまり政治家は、その政治家個人に投票してくれた人も投票してくれなかった人も両方合わせた「全選挙民の代表」であり、投票してくれた人のためだけに発言・行動するのではなく、全体の利益のために働く・・・。
そういう意味だと解釈しています。
私たち市議会議員も同様に、投票してくれた人のためだけに働くのではありません。
投票してくれなかった人も含めて、市全体にとって最も良いと思われることのために力を尽くしていくものだと考えています。
その指針は、地方自治法第一条2に記されている、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」だと思います。
私は日本共産党の市議会議員ですが、決して共産党の利益のために働いているわけではありません。
「住民福祉の向上」、考えているのはこれに尽きると思っています。
そして発言したり発信したり行動したりするとき、背景にあるのは住民の声です。
私たち共産党議員団は、毎年秋に市民アンケートを行っています。
返信用封筒をつけて、全戸配布しています。
回答を送ってくださる方は、共産党の支持者とは限りません。
いろんな方が、いろんな立場で回答を書いて送ってくださいます。
そしていただいた回答を見て、どんな傾向があり、なぜそういう傾向になっているのか、何を改善すれば良いのか、どうすれば良いのか・・・。
そんなことを、時間をかけて話し合います。
また書き込まれた様々な要望について、現場を見に行ったり、書いて下さった方に連絡を取ったりしながら、その要望の意味を確認しています。
そしてそれを整理して、市への要望書をまとめ、提出しています。
今開かれている3月議会には、私が2016年12月議会で取り上げ要望し続けている「新生児聴覚検査の公費助成」を来年度から実施するとの予算案が出されています。
また、不登校の子どもたちが通う「適応指導教室 宙」の名称を「教育支援センター」に変更するよう、昨年の12月議会で要望しましたが、今回要望通り名称を変えるとの施政方針が出されています。
介護保険も保険料が高すぎて支払えないという人が多く、一方で基金が積み上げられている事実から、基金を活用し、保険料を引き上げないように要望してきましたが、それも実現する内容の介護保険の予算案が示されています。
こうした前進については、とてもうれしく思っています。
そして、こういう提案をしてきたことは「共産党がやりたいこと」であったわけではなく、「住民福祉の増進」のために必要だと思うことを提案してきたわけです。
今回の代表質問に対する市長の答弁は、とても不思議なものでした。
少し前にお知らせしたコロナ対策についての答弁の中での言葉です。
「共産党がやりたい政策を伝えるのではなくて、本当に市民が何が足りないと感じているのか、しっかりつかんで伝えていただきたい」Σ(・ω・ノ)ノ!
正直、意味が分かりませんでした。
残念なことに、代表質問は再質問が一回だけですので、意味が分からなくても聞き返すことができません。
でも、「共産党がやりたい政策」って…💦
それぞれに、見解の相違はあるかもしれません。
あって当然だとも思います。
でも、こういう発言は市民要望を軽視するものだと思えてなりません。
それぞれの議員が、「政治家の倫理綱領」を胸に発言・発信していると思います。
考え方や立場が違っても、お互いにその点について信頼・尊重し合う姿勢が必要だと感じます。