映画『月』

2023年10月25日

映画『月』を観てきました。
実際にあった障害者施設での殺傷事件を題材にした映画とのことで、公開前からとても気になっていて、絶対に観なくてはと思っていた映画です。

子どもが生まれたときに、目に見えた障害がないかどうか、気にしない人は多分いないのではないでしょうか。
障害を持って生まれたから産まなきゃ良かったとかそんな話ではなく、多分それが我が子に関すして得られる一番最初の直接的な情報だからかもしれません。
が、目に見えた障害がないことに多くの人がホッとするのも事実だと思います。
それは障害者を排除する思想と同じものなのか。「違う」と言い切れるのか・・・。

出生前診断で異常が見つかると、90%以上の頻度で中絶が行われているそうです。
次男を生むころに出生前診断が始まりました。私はそれを受けようとは一度も思わなかったけれど、もし受けていて、もし何らかの異常が見つかっていたとしたら、それでも堕胎せずに産もうと思ったかどうか、自分のことながら正直自信がありません。
それは優性思想と同じではないかと自問自答するけれど。

障害者の生きる権利を否定するつもりは毛頭ないし、障害をもって生まれたから不幸などということも絶対にないし、何よりもしゃべれないから心がないなんてことは絶対絶対ありません。

それでも自分の中にも、多分誰の中にも心のどこかに優性思想があるのではないか・・・。
そういう自分の中にある矛盾を突き付けられる、とても深くて苦しい映画でした。

ぜひぜひ観てみてください。
そして胸に刺さる何かを一人でも多くの方と分かち合いたいです。