映画『雪道』
映画『雪道』を観てきました。
日本では豊島区大塚にあるシネマハウス大塚と名古屋の名演会館、2か所でしか上映していない映画です。
8月に数日間上映され、観に行ったのですが満員御礼で入場できませんでした。
改めて追加上映をすると知り、大慌てで観に行ってきました。
日本軍慰安婦取り上げた韓国映画です。
フィクションだそうですが、慰安婦を含む多くの証言に基づいたエピソードをちりばめ、一つの「真実の物語」が構成されています。
お金儲けのために慰安婦になったのではなく、家に押し入りられ、無理やり連れ出された少女。日本に勉強しに行こうとしていたのに、捉えられ慰安婦にされた少女。
梅毒に感染した少女は、みんなの前で唐突に銃殺されてしまいます。
一体誰が彼女を梅毒にしたのでしょう。
人間としての尊厳を粉々に打ち砕かれ、韓国語でおしゃべりすることも許されず、コンドームの性能が悪くて妊娠したら堕胎するための薬を無理やりにでも飲まされる・・・。
敗戦色が濃くなり、日本軍が硫黄島に移動することになったとき、「現地補給品はすべて捨てること」と指示が下されました。
「現地補給品」とは、なんと慰安婦を指していました。
そして「捨てる」とは「殺してしまう」を意味していたのです。
日本人以外の慰安婦たちは夜中に唐突に慰安所から連れ出されたかと思うと、いきなり銃殺されてしまいます。
こんなひどいことをかつての日本軍が行ったという事実がとても苦しく、それでもその中で生きようとした二人の主人公の姿が胸に迫ります。
主人公の一人は逃げ延びて、慰安婦体験を「恥ずかしい」と思い、「誰にも知られないように」と一人ひっそりと生きていきました。
年老いてから、生き辛さを抱えた一人の少女と出会ったことで、主人公は初めて自分の過去を語ることができ、もう一度自分の人生を生きようと前を向いていきました。
80年代90年代に実名で名乗り出て、多くの女性たちが慰安婦被害を訴えました。
しかし被害者たちのその声を否定する発言を繰り返す杉田水脈さんに、ぜひこの映画を観て学んでいただきたい。
強くそう思いました。
この映画は全国上映を目指して、カンパも集めながら頑張っています。ぜひ応援をお願いします。