有効求人倍率14.75倍!!深刻な介護職員不足

2020年07月15日

今日は一人の、障害福祉サービスを使って在宅療養を続ける方のお家を訪問させていただきました。
個人情報の暴露に繋がってしまうといけないので、細かいお話は避けたいと思います。
ただ訪問介護や訪問看護、そして福祉用具などをとても上手に使い、重度の障害を持ちながらもマイペースな在宅生活を続けていらっしゃいます。

実は私はその方を、20年以上前から存じ上げていました。
まだ90年代の頃でした。
『ひまわり号』という、車いすで電車に乗って旅に出る…そんな障がい者の要求を実現しようという一つの運動だったと思いますが、その電車でその方とご一緒したことは私にとっては強烈な印象でした。
その時私が一緒に参加したのは、首と左右どちらかの指が本の少し自分で動かせるだけという、重い障がいを負った方でした。
人生の途中でそういう障がいを負い、非常に苦しんでいました。
ひまわり号で外に出かけるとか、他の重い障がいの方々に出会うとかの体験によって、少しでも気分転換ができたら・・・。
そんな気持ちでお誘いし、参加したのでした。
今日お会いしたその方もやはり人生の途中で傷害を負い、苦しんでいなかったわけではないと勝手に想像しますが、その頃の私たちにはとても自由で自立していて、障がいを負ったなりの新たな人生を生き生きと生き始めている・・・。

そんな風に見えたものでした。
そしてその時の印象通り、その方はその後、1人で暮らせるように住宅を整備し、長年一人暮らしを続けていらっしゃいます。

今日お邪魔したのは、その方の生活を支えている訪問介護事業所さんの深刻な人手不足により、これまで通りのサービスの提供が困難!!
そんな危機的状況に陥っていると、その方がお電話してくださったからでした。

毎日の日常生活の動作の中で、ご自身でできることもたくさんあるけれど、ヘルパーさんの支えがあるからこそ、その生活を維持することができている・・・。
でも、そのヘルパーさんが今は本当に不足しているとのことです!!
その方のサービスプランを立てている方は、「有効求人倍率16倍」とおっしゃいました。
16倍が正しいのだと思いますが、私が調べた範囲では14.75倍というのしか見つけられなかったので、このページの表題は「14.75倍」としています。


本当に深刻な、大変な状況だと思います。
私の経験では、武蔵野線沿線は求人を出しても特に応募がない地域だと思っています(かつて、人材紹介会社の方からそう聞いたので💦)。
だとすると、吉川近辺ではより一層深刻な状況だと思います。
介護職員の厳しい現状は、やはり若い人がこの仕事につかないという事実と、ヘルパーさんの高齢化の問題だと思います。
そして、何故若い人がこの仕事につかないかと言えばやはりマイナスイメージの強さが大きいのではないかと思いますが、そのマイナスイメージの代表は「低賃金」ではないでしょうか。
3Kとかも言われますが、排せつケアとかも含めて、介護の仕事は本来やりがいのある仕事だと思います。
そして、こういう仕事に就く人は、この仕事にやりがいを感じることのできる方々なんだと思います。
ただ、仕事の大変さと給与の現実とを比べたとき、少しずつ増えているとは言ってもまだまだ安心して暮らしていけるような給与にはなっていないということだと思います。
介護事業所に対して国が何か根本的な支援をしなければ、給与は上がらないのではないかと思っています。

そしてヘルパーさんが不足するもう一つの原因は、赤ちゃんから高齢者まで重度障がいの方が増えていることや、その方々が在宅に返されている、在宅療養を基本とする政策がとられていることだと思います。
政府の政策って、すごく矛盾を感じます。
重い障がいの方々をどんどん自宅に返しながらも、その生活を支える事業に対してお金を使わない・・・。
この矛盾を改善しなければ、深刻なヘルパー不足はいつまでたっても解決しないのではないでしょうか。
そして、ヘルパーさんの確保ができず、今日お会いした方のように自立して在宅療養生活を送っていきたいと考えている方が、もしかしたら在宅生活を諦めなければならない・・・。
そんな状況に追い込まれそうになっています。
すごくおかしな事態だと思います。