江戸川水防事務組合行政視察

2020年02月12日

今回もまた、江戸川水防事務組合の議員になりました。
早速の仕事は、令和元年度の行政視察です。
今日は伊豆の国市の「狩野川放水路」と、沼津市の「沼津港大型展望水門びゅうお」を視察しました。

狩野川は天城山系を源に、太平洋側の河川としては珍しく北に向かって流れる川です。
天城山系は年間雨量3000㎜という雨の多い地域で、狩野川は流量の多い川だそうです。蛇行しながら川が流れていることや、支流も多いことなども影響して、この地域は昔から洪水を繰り返してきた地域とのことです。
江戸時代の記録に残る大型な物だけでも40回、明治時代には42回、大正時代には20回と、頻繁な洪水を繰り返してきました。

国土交通省 沼津河川国道事務所「狩野川放水路」より
国土交通省 沼津河川国道事務所「狩野川放水路」より

狩野川放水路とは要するに川のバイパスです。
川が大きく蛇行し、富士山麓や箱根山麓を起源とする支流が流入する手前のところに、直接海に放水する水門を造り、下流の氾濫を防ぐ仕組みになっています。
15年の歳月と、今の価値に換算すると約300億円ものおかねをかけ、1965年に完成しました。
1秒間に最大2,000㎥もの放流をすることができるこの放水路は狩野川の治水の要です。
この治水事業のおかげで水害がなくなり、周辺の方々も安心して暮らせるようになりました。

それでも昨年10月の台風19号では、流石に流域の皆さんも避難されたそうです。
台風19号は過去最高水位を記録したものの、雨の降り方が緩やかだったので大きな被害は起きなかったという説明だったと思います。

沼津港大型展望水門びゅうおは、万が一の津波の時に沼津港とそこで働く方々を守るための水門です。
平時は展望台となっている水門が有事には下ろされて、港湾内への津波の侵入を防ぐ仕組みになっています。
年に2~3回、水門を下ろす訓練が行われていますが、実際にそれが必要になったことは今のところ一度もないそうでした。