田辺聖子文学館と司馬遼太郎記念館
所用で東大阪市に行ってきました。
東大阪市には田辺聖子文学館と司馬遼太郎記念館があると知り、これは行かなくてはと思い、行ってきました。
田辺さんの生涯を描いたNHKの朝ドラ『芋たこなんきん』が、昨年再放送されました。10年ほど前から朝ドラにすっかりはまっている私は、その再放送をしっかり観ました。
正直、田辺聖子さんの本は読んだことがなく、ツチノコにハマっていたことや『かもかのおっちゃん』などかなり知られている本もドラマの中で初めて知ったくらいでした。
ただ、そこに描かれていた田辺聖子さんは平和を求め、家族や周りの人々をとても大切にする誠実な人柄で、とにかくいつも「描いている人」でした。
田辺聖子文学館は松蔭女子大学の一角にあり、田辺さんはその大学の前身、専門学校の卒業生だそうです。
館内には田辺さんが描いた膨大な著書が展示されていて、これだけたくさんの本を一体どうやって描いたのだろうと思うほどでした。
驚いたのは、労働者のための教育機関「労働学校」の卒業証書が展示されていたことでした。
やっぱり誠実な人だったんだろうなぁと、ドラマに描かれていたとおりの方だったのだろうと想像しました。
「司馬遼太郎記念館」は田辺聖子文学館からそれほど遠くなく、徒歩圏内にありました。
司馬遼太郎さんのご自宅は解放されていませんが、書斎が庭から見れるようになっていました。ここであの膨大な執筆がされていたのかと思うと、感動です。
私が一番最初に読んだ司馬遼太郎さんの著作は、『空海の風景』でした。1200年も前に生きた空海の人生がいきいきと描かれていて、特に長安で過ごした夢のような日々や最澄との生々しい感情とか、すごく惹きこまれました。坂本龍馬を描いた『竜馬がゆく』、高杉晋作を描いた『世に棲む日々』、徳川幕府最後の将軍の人生を描いた『最後の将軍』。どれもとても面白く、興味深く読みました。
記念館には司馬遼太郎さんの蔵書が4万冊も展示され、調査と研究を重ねに重ねてたくさんの素晴らしい作品が生み出されたのだと知りました。
司馬遼太郎さんの歴史観には様々な批判もありますが、記念館に行けたことを嬉しく思います。