石岡市「朝日里山ファーム」

2019年11月23日

もうずいぶん前の話になってしまいましたが、10月31日、吉川市議会3つの常任委員会合同視察二日めは、茨城県石岡市に行きました。
石岡市は有機農業で若者の就農支援をしています。
この取り組みについて、お話を伺ってきました。

石岡市は2005年、旧石岡市と旧八郷村が合併してできた人口7万5千人,面積215㎢のまちです。温暖な気候を活かし、幅広い農業生産が行われています。
石岡市の農業の課題は、農業後継者の減少や農業従事者の高齢化が急速に進む中、地域農業の担い手を育成・確保することです。
また、環境への関心が高まる中、環境を重視した農業生産への取り組みが求められています。

石岡市では就農希望の相談があると、以前は農協が運営する「ゆめファーム」を紹介していました。
2017年、「新たに農業を営もうとする者に農業経営に必要な技術及び知識を習得する環境を提供するとともに、地域農業の担い手の育成及び地域農業の活性化を図る」ことを目的に、「朝日里山ファーム」を立ち上げました。

「朝日里山ファーム」は廃校になった小学校を利用し、そのすぐ隣にあった遊休農地を開墾してつくられました。同ファームでは、45歳までの夫婦で研修終了後には市内に移住し就農することを条件に2年間、有機農業の実践研修を行っています。圃場は1.5㌶、パイプハウス2棟、資材ハウス1棟、加工施設1棟、トラクター・管理機などの農作業機材を備えています。

初期費用は約10,000千円、維持経費として年間約3,000千円をかけています。
1年に1家族を受け入れていますが、2017年度に研修受講を開始した第一期生のご夫婦は、既に市内で有機農業を開始し、石岡市の新たな農業の担い手としての活躍が期待されています。
昨年度研修を開始したご夫婦の一人は埼玉県出身の方でした。就農に対する抱負を語る活き活きとした表情がとても印象的でした。

「朝日里山ファーム」の実践を支えているのは、柴山さんという一人の男性の存在でした。柴山さんは10年ほど前までは、農協の職員でした。
22年前に都内の生協と契約を結び、農協の中に「有機農業部会」を立ち上げ、実践してきた方でもありました。営農相談に長く携わり、農業を志す人が多いと感じながらも、営農に結びつけることはできませんでした。
柴山さんのそうした思いが今、「朝日里山ファーム」という一つの形になり、農業の担い手をしっかりと育てています。

吉川市の就農後継者の現状や課題についても、しっかり学ばなくてはと思いました💦