第45回議員の学校 自治体財政のお話
多摩住民自治研究所「第45回議員の学校」に参加しています。
いつもなら三多摩のどこかの自治体で開催され、近いけど泊りがけで参加するところです。
残念ながらのコロナ禍です。早くリアル参加できるようになるといいなぁと思いつつ、今回もZOOM参加です。
一日目の今日は、立命館大学の森裕之先生の自治体財政のお話でした。
私は森先生の話を初めて聞いたとき、それまで難しくて自分には理解不能だと思っていた自治体財政の話を初めてそれなりに理解することができたのでした。
依頼、できる限り森先生の講義は受講するように努力しています。
先生は関西弁で軽妙に話されるので、それだけでもなんだか「わかった気分」になるのですが、一番わかるのは先生が毎回必ずされるペットボトルのお茶に自治体財政をなぞらえるお話です。
興味のある方はぜひ一度先生のお話を聞いてみてください。
多摩住民自治研究所の議員の学校にもよく講師としていらっしゃっていますし、自治体問題研究所の自治体学校とか、そのほかにも地方議員を対象としたあちこちの研修会でお話をされている方だと思います。
国民はどこの町に住んでいても、同じような行政サービスを受けることができます。
それは日本国憲法によって規定されているからであり、財政規模が小さいから介護保険制度がないという自治体もないし、学校がないという自治体も絶対にありません。
標準的な行政サービスを実施するだけの財源がなければ、その不足分は必ず国からの「地方交付税」で補われることになっています。地方税と地方交付税を合わせたものが地方自治体の「一般財源」であり、「一般財源」は自治体がやりたい施策を実行するために極めて重要な財源であり、それは市長の姿勢とも関連しますが、議会の存在意義にもかかわる重要なものだと森先生はおっしゃっています。
コロナ禍の一昨年、自治体財政は相当大変だっただろうと思う人は多いでしょうが、実は実質収支が赤字の自治体は1団体だけで、その前の年はすべての団体が黒字だったそうです。
自治体が黒字を出すのはとても簡単で、事業をしなければ黒字になる・・・。
コロナ禍で多くの事業が中止を余儀なくされる中で、ほとんどの自治体が黒字だったのだと思われます。
が、自治体というのは企業とは違い、黒字なら良いというものではありません。
毎年黒字が続くなら、もっと住民サービスに還元しなければなりません。
以前の地方議員はどういうところにお金を使うか、お金の采配さえしていれば良かったけれど、今の地方議員は財政状況を理解し、発言する力が求められていると森先生はおっしゃいました。
例えば新潟市では2016年に財政危機に陥っていることを明らかにしましたが、それまで議会も気づいていなかったそうです。
逆に浜松市などは実質収支の黒字が続き、黒字幅も大きく、つまり住民サービスが不十分だと思われますが堅実な財政運営状況です。
つまり、財政に対する知識がないと問題があっても見過ごしてしまい、議会の役割を果たせないということです。
一般財源と財政調整基金(自治体の貯金のようなもの)と、実質収支の推移をきちんと見ていけるような議員になることが求められています。
私も毎年森先生のお話を聞いて勉強しているとは言うものの、議会では財政についての質問はなかなかできません。
が、そこを頑張らないと大切なものを見過ごしてしまう可能性もあるということだと思います。
しっかり勉強して、3月議会に臨みたいと思います。