軍拡で平和は作れない‼
昨年11月に開催された9条の会@よしかわの学習会「白神優理子弁護士が語る『憲法9条 変えたらどうなる』について2度にわたりお伝えしてきましたが、今回は第3弾です。
岸田首相は大軍拡の方針を示し、国立病院機構の積立金422億円と、地域医療機能推進機構の積立金324億円を「不要見込み」として国庫に返納させ、大軍拡の財源としようとしています。
しかし地域医療機能推進機構の社会保険病院、厚生年金病院は年金を利用してスタートさせたものだと加藤厚労大臣は答弁しています。返還すべきは国庫ではなく、年金特別会計であるとも答弁しています。
国民が支払ったお金を国民の暮らしのために使うのでなく、軍事のために使う・・・💦
そして年金制度はますます疲弊していく・・・💦
そんなことが許されるはずはありません。
国立病院機構の積立金は675憶円ですが、昨年の感染症法の改正でパンデミック時の医療提供義務が課されることになり、老朽化対応などが求められているそうです。理事長自ら、「675憶円あってもとても足りない」と語っています。
国民の命を守るためのお金を軍事費に流用しようとする岸田首相の施政、あまりにも危険です。
国民の命を軽視し、軍事にひた走る政治。やめさせなければいけないと思います。
こういう時だからこそ、9条の会@よしかわの学び、とても重要だと思います。
日本も「核共有すべき」「軍事力を強化すべき」か?
ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、国連憲章に違反する軍事侵略で許されない行為です。民間施設や一般人への爆撃は 国際法が禁止する戦争犯罪にも該当します。ロシアは正当化される余地が全くありません。こうした暴力的な行為を前に、多くの人が「自分が攻められたらどうしよう」「もっと軍事力を強化すべき」と不安に思うのは当然です。ただ冷静になって立ち止まり、しっかりと考えていくべきです。
他の国から攻撃された時、どこの国にも自衛権があります。ただ「自衛」を超えて更に軍事力を強化し、自国の安全を守るという考え方は本当に正しいのでしょうか?
間違っている、時代遅れの非現実的な考え方と言わざるを得ません。
日本が軍事力強化を進めたら、何が起こる?
日本が軍拡を進めれば周辺国は当然「日本が軍事大国化を進めている」「攻められたら危ない」と恐怖心を感じ、他の国も軍拡を進めていきます。軍事力の強化は結局、緊張関係や恐怖心をばら撒き、紛争を呼び起こしてしまいます。何かのきっかけで武力衝突がいつ起こるかわからない状況を生み出してしまうかもしれません。
どこの国も軍事力を強化していれば、それが攻め込む口実にもなってしまいます。そういう戦争をする指導者がいつ現れるかわかりません。一度戦争になってしまったら、もう取り返すことはできません。
それが歴史の教訓です。国連憲章で武力の行使を禁止し、武力による威嚇自体も原則禁止という到達点を人類は持っています。
お金の面から考えても非現実的!
軍拡競争は際限なく軍事に税金をつぎ込むという考え方です。とんでもなく軍事予算が膨れ上がっていくことになります。中国の年間軍事予算は26兆円です。軍事予算世界第一位のアメリカは82兆円を超えています。
日本は5兆6千億円ですが、この予算でも世界の軍事予算では第9位です。それでも、軍事対軍事の考え方ではこの予算では足りなくなります。日本の年間の国家予算は140数兆円です。そのうち20~30数兆円が軍事予算となれば、もう戦争状態と同じです。国民が生活してくことができない、無理な話です。
しかも日本は原発を50基も持っています。周辺国と軍事で張り合っているうちに原発を攻撃されてしまえば、一巻の終わりです。
経済協力関係から考えても非現実的!
日本は中国やアメリカ、その他多くの国々と貿易をしながら生活をしています。
軍拡競争で緊張関係が生まれ、疑心暗鬼になりお互いに恐怖心を持ち合えば、当然国際的な経済関係にも悪影響を及ぼします。生活に必要なものが輸入できないことになれば、私たちの生活が成り立たなくなる可能性があります。
現実的な安全への道は?
軍事力に頼ろうという考え方はあらゆる面で非現実的です。起こるリスク、深刻なリスクを想定していないお花畑な考え方だと言わざるを得ません。軍事力に頼る考え方を取ると結局は緊張関係・疑心暗鬼を生み出し、戦争をむしろ招いてしまうことになりかねません。
本当に私たちの命や安全を守るなら、そもそも緊張関係をつくらない、信頼関係を構築していくことこそ現実的な安全の道です。
恐怖の種をばら撒く自公政治
ところが今の日本はどうでしょう。唯一の戦争被爆国でもあるにもかかわらず、自民党の政治家たちは「核共有論」「敵基地攻撃能力」を持ち出しました。恐怖の種をばら撒き、緊張関係をつくり出す状況になっています。
核共有論は核兵器禁止条約に反する政策です。敵基地攻撃能力も、他国に乗り込み空から爆撃をするという国際法違反の先制攻撃に道を開くものです。
ロシアのプーチンが今行っていることと同じ考え方です。
それを唯一の戦争被爆国、憲法9条を持つ国の政権与党の政治家たちが発言しているのは、まさに緊張関係をつくり出している状況だということを私たちは直視しなければなりません。
憲法を生かし、他国と共に信頼関係構築を
今こそ私たちは冷静になり、緊張関係や恐怖を生み出すような軍事に頼る考え方では決して平和をつくることはできないとの歴史的到達点をしっかりと思い出し、憲法を生かして、他の国々と一緒に信頼関係をつくっていくことこそが平和的な道であり、私たちの命・安全を守る確かな方針だと多くの人に伝え広げていくことが大事な時だと思います。