障害のある人もない人も共に暮ら す共生社会へ

2021年04月21日

3月議会が終わり、1カ月以上が過ぎてしまいました。
お伝えするのも今更のような感じがしますが、大切なことなので・・・。

3月議会で賛成全員で採択された議案の一つに、「吉川市こども発達センター条例」の改正がありました。
子ども発達センターは昨年第二保育所から移転して保健センター2階に移転し、リニューアルオープンしました。発育や発達に障がいや遅れがあると思われるお子さんの発育・発達を促し、動作・習慣・より良い親子関係などを支援する場で、現在、39名のお子さんが利用しています。

今回改正されたことは、利用しているお子さんのうち保育所や幼稚園に通うお子さんについて、センターの保育士が保育所や幼稚園に訪問・支援をするというものです。
「保育所等訪問支援事業」と言い、平成 24 年 の児童福祉法の改正により創設された事業です。
吉川市ではセンターの保育士が訪問するとのことですが、事業そのものは理学療法士や作業療法士なども想定されていて、小学生までも対象とされています。

この事業を厚労省は、①障がいのある子どもも原則、一般施設の中で育つことが当たり前である、②インクルージョンを進めるには障がいのある子どもやその家族・受け入れる一般 施策のスタッフや障がいのない子どもたちが安心できるよう特性に応じた環境調整や関わり方、集団への働きかけなど専門的支援が必要との認識のもと、インクルージョンを推進する「1丁目1番地」の重要な事業と位置付けています

これはぜひ、推進していただきたいなぁと思います。

子育て中に、子どもたちと繰り返し読んだ本の一冊に『わたしたちのトビアス』(セシリア・スベドベリ著 偕成社)がありました。
あかちゃんの誕生を楽しみにしていた兄姉のもとに生まれたのは、ダウン症の弟でした。弟はまだ全然小さなうちに施設に入所し、兄姉や家族、そして地域から引き離されて暮らすことになります。
あるお祭りの夜、同じようにお祭りを楽しんでいるのに、施設の子どもたちと地域の子どもたちは分断されていることに兄姉は気が付きます。分断されているから、障がいのない人たちは障がいのある人たちを怖いと感じ、同じように障がいのある人たちも障害のない人たちを怖がる・・・。そんな構図になっていることに気が付きます。
障がいがあるとかないとかに関わらず、共に暮らす社会がいい。兄姉の素朴な思いが幼い兄姉の描いた絵とともに表現された、とても素敵な絵本でした。1978年に発行された、スウェーデンの絵本です。
その絵本を子どもたちと呼んだのは1990年代。もう20年以上も昔の話になってしまいました。


しかし、共に暮らす社会・インクルージョンは未だに実現していません。
吉川市でもようやく訪問事業がスタートし、共に暮らす社会に向けて大きな一歩を踏み出すことになりました。とても嬉しい、大切な一歩だと思います。