「あんな奴ら」
昨年12月議会で「中原市長に猛省を求める決議」を挙げる前、私たち11名の議員は中原市長への抗議文を提出しました。そしてその際市長への面会を求めましたが、市長は私たちには会いませんでした。
抗議文を受けとった副市長から市長は議員のみなさんにお話しする用意はあると言われましたが、「危険人物」と名指しされた私たちや抗議文に名前を連ねた議員と直接会って話をするという姿勢はありませんでした。
なので文書で回答してくださいとお願いし、その解答すらなかったことが「猛省を求める決議」へと繋がったわけです。
6月議会、A議員の質問はあの時なぜ会わなかったのか、ちゃんと会って話をしていればそれ以降のゴタゴタはなかったのではないか、というような趣旨だったと私には受け取れました。
市長は、
「市長として、翌日会いたいと言われても、当日来て今日合わせろと言われても、なかなか日程の調整がつかないことは当然あり得る。今回はみなさんにお会いしてしっかりとお伝えしたいと申し上げたにも関わらず、そういう機会を与えていただけずに決議をされたという事実がある。
面会の選別については、承認欲求が動機となっている場合や政治的なパフォーマンスに巻き込まれるような危険性がある場合、また市政に資する目的がない場合はどのような立場の方であっても行政の長として面会しないことに一定の合理性があると思っている。
面会者の過去の行動に職員への過度な交渉や執拗な要求、誹謗中傷などがあった場合などは職員や組織に負荷を与える懸念があれば、対応を慎重にせざるを得ないのは妥当」と答弁しました。
でも、ちょっと待ってください。
私たちはたった今すぐ会わせろ!!というような申し入れをしたわけではありません。
選択の余地を残して申し入れたはずです。
そしてまたこれまで、
毎年秋に行う市長への来年度予算に向けての要望や、特にコロナ禍では何度も緊急の要望などを行ってきて、その都度市長に面会を求めてきましたが、ただの一度も私はというか共産党議員団は市長と直接会ったことがありません。
共産党議員団だけでなく、他の市長のお気に入りではない会派の議員も会っていないと聞いています。
私は市議会議員になって今年で10年になりますが、10年間ただの一度も会っていないっておかしくないですか?
いつもいつも、対応するのは副市長です。
私たちもどうせ市長は会わないのだろうと思っているのでさらりとかわしていますが。
議会の会派や議員が市長に面会を求めるのは承認欲求でしょうか?
政治的なパフォーマンスでしょうか?姿勢に資する目的がないというのでしょうか?
3月議会の岩田京子議員の質問の中で、「市長はよく『あんな奴ら』と言う』という発言がありました。
これはかつて岩田京子議員が市長与党に所属していた頃に、市長の口から直接聞いた言葉として紹介していました。
「あんな奴らには会わない」「あんな奴らとは一緒に写真を撮らない」と。
言われてみると市長は、昨秋の病院建設白紙撤回の説明会の場で、撤退した企業のことも「あんな奴ら」と表現したのでした。
驚きませんか?
結局そういうことなんだなぁと私は初めて理解しました。
自分にチヤホヤしない会派には会わない、批判的な発言をする議員とも会わない、そういう姿勢としか思えません。自分の意に沿わない人は「あんな奴ら」。
そもそも議員を「危険な3人」と名指しすること自体市長としていかがなものかと思いますが、そう決めつけてしまった相手ともちゃんと対峙して話し合う姿勢さえ持っていれば、12月議会の「猛省を求める決議」はなかったでしょう。その姿勢がないことが、「猛省を求める決議」に繋がったのだと思います。
「あんな奴ら」と敵味方と分断する市長の姿勢にこそ、問題があるのだと思います。