『コーヒーとカレーと見田さんと』

2025年05月15日
夏の川企画第5回公演『コーヒーとカレーと見田さんと』(作:くるみざわしん 演出:小笠原響)を観てきました。

2020年11月に起きた渋谷区のバス停ホームレス女性殺人事件と、周辺に住む住民の気持ちを一つの素材にした舞台でした。

女性は最終バスが出た後でそのバス停に行き、始発バスが来る前にその場を離れ、他の人に迷惑をかけないように気を遣いながらただそのベンチで寝ていただけだったのに、何故殺されなければならなかったのか・・・。
特に「女のホームレス」はバカにしやすいし、襲撃もしやすいのでしょう。
先日私が若い男性に絡まれたのと同じことで、女性で、若くもなく、いかにも弱そうな女性を恰好の餌食とする男性が確かにいるという事実を改めて感じます。

それから女性の貧困や孤独にも目を向けた舞台でした。
喫茶店のオーナーと店員と常連客と、話がかみ合わなかったりぶつかったり共感したり詮索し合ったり心配したり。そういう繋がりが心地よい舞台でもありました。

25歳の1月、名古屋から一人で上京し、荻久保にアパートを借りました。
当時東京には親しい友達が一人だけいましたが、他には知り合いもなく、とても不安でした。
そんな時、近所に珈琲ショップを見つけて通うようになりました。
マスターも店員さんも気さくで話しやすく、一人ぼっちの不安を受け止めてもらったような安心感を抱いたことを今も覚えています。

以後、そんな風にお客さんとお店の人が親しく話ができる喫茶店、珈琲ショップに出会えていません。
残念なことだと思っています。

それから、カレー。
私はカレーには必ずトマトを入れ、ジャガイモは入れずに代りにカボチャかズッキーニを入れます。
そしてオクラも。
義母は常々義理の姉の料理がとても上手だと褒めていましたが、ある時「カレーだけはきよみちゃんの方が美味しい」と言ってくれたことがあり、とっても嬉しかったことを思い出しました。
久しぶりにカレーを作りたくなりました。