『私たちの中絶』
最近読んで良かったなぁとしみじみと思った一冊。

『わたしたちの中絶 38の異なる体験』(石原燃・大橋由香子著 明石書店)。
たまたま見つけて読んだ本です。
女性なら多分誰でも、「もしかしたら・・・」「えっ!!今?」っていう経験はあるんじゃないかと思います。
こども家庭庁の発表では、昨年の中絶者数は12万2千人。
ずっと忘れていましたが、看護学校3年生の産科実習で中絶の手術を受ける人が多いんだなぁと感じたことを不意に思い出しました。
妊娠は男女の営みの結果なのに、そこに責任を負わない男性やそもそも避妊に協力をしない男性もたくさんいるのだと思いました。
堕胎が刑法に規定される犯罪であるということも、知ってはいたような気がしますが、改めて認識したところです。
そして病院に行く前に何とか堕胎できないかと、身体には極めて良くないと思われる方法で堕胎を試みる女性の存在も知りました。
日本の人工中絶手術の主流は身体への侵襲の大きい「掻把法」が主流で、欧米ではとっくに認められている経口妊娠中絶訳がようやく認められたのは2023年。
そして先日東京新聞が報じていましたが、昨年1年間で経口妊娠中絶訳を使用した中絶はわずか1,440件に過ぎない。
中絶手術は健康保険適応外で10万円~15万円。
経口妊娠中絶薬も同じくらいの費用が掛かるとのこと。
まるで妊娠したことが「罪」であるかのように、それを罰するかのような組み立てであること。
こういう制度の在り方が望まない妊娠をした女性を孤立させ、遺棄などの次の不幸を生み出している現実。
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という言葉はもちろん知っていましたが、私が受け止めているよりもずっと深くて重い言葉だということがよく分かりました。
そして調べてみると、吉川市の男女共同参画基本計画にこの言葉がちゃんと書き込まれていることも分かりました。
こうした問題について、市レベルでも取り組めることがあると思うので、3月議会の一般質問で取り組もうと思います。
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という言葉が、言葉だけで終わらないように私も何かしたいなぁと思っています。