運転手不足の大問題

2024年03月10日

時々タクシーを意図的に使うようにしています。
タクシーの中で、運転手さんの様々なお話を聞くことができるので、とても大切だと思っています。

今回お話をしてくださった方は、15年ほど前にこの仕事に就いたそうです。
当時はどこの町でもタクシーが溢れ、客待ちをするタクシーがタクシープールに入りきれずに路上に停止しているのが社会問題になるほど、タクシーが街中にあふれていたそうです。
ところが今は深刻な運転手不足。
まさか、こんな時代が来るとは夢にも思わなかったと運転手さんは話してくださいました。
コロナ禍で仕事が激減し、やめてしまった運転手も確かにたくさんいたけれど、コロナ禍が終息しても戻ってこない。
だからどこの町に行ってもタクシー待ちの長蛇の列ができている。
それは景気が改善してタクシーに乗る人が増えたということではなく、運転手が不足しているので需要に供給が追い付かないのだと。
タクシー運転手はチームプレイを求められることは少なく、どちらかと言うと個人プレイの仕事なので、人間関係が苦手な人にも働きやすい仕事。
なので、かつては人間関係が苦手で失業したようなタイプの人の受け皿でもあった。
でも今は、そういう人でも選ばない職業になってしまった・・・。
今はまだ団塊の世代の運転手が頑張っていて、辛うじてこの業界を維持することができている。
しかしその世代も後期高齢者になってきて、少しずつ少しずつ辞め始めている。
この世代が本当に皆辞めてしまったら、タクシーという事業が維持できるのか。
一体誰がこんな世の中にしてしまったのか・・・!!

運転手さんはそんな話をしてくださいました。

吉川市の来年度予算案には、第二種運転免許(旅客自動車を運転するための免許)の資格取得に向けての補助金80万円が計上されています。
市内を運行し、市内に本社を置くバス・タクシー事業所が従業員に第二種運転免許取得のための費用を助成する場合に、その費用を2分の1補助するというものです。
タクシー事業者1社、バス事業者2社が対象で、各事業者2名程度を見込んだ予算とのことです。
運転手確保のためには各社・各自治体がそれぞれにできること・気付いたことをやっていくしかないような気がします。そういう意味でこの予算案は意義があることだと思います。
しかし同時に、「なぜこんな時代になってしまったのか」「一体誰がこんな世の中にしてしまったのか」、この問いへの答をちゃんと探さないといけないのだと思います。