4年間で15本の意見書を提出しました

2023年12月24日

1期目の任期中、16回の定例議会のうち12回の議会に意見書を提出しました。
虐待やハラスメント・性暴力などに関する意見書もいくつか提出していて、こういう意見書なら可決するのもまぁ当然かなと思うのですが。
見返してみて驚いたのは、「福祉施設職員の待遇を抜本的に改善することを求める意見書(2016年6月)・「学費引き下げと給付型奨学金制度を求める意見書(2016年9月)」・「介護を必要とする高齢者の負担を増やす介護保険改定に反対する意見(2019年12月)」、更には「オスプレイの横田基地配備の撤回を求める意見書(18年9月)」など政府に物申すような意見書も可決していたことでした。

それに比べて、2期目のこの4年間はすっかりと意見書が通らなくなりました。
この4年間の16回の定例議会で私は15本の意見書を提出しましたが、可決したのは5本に過ぎません。
意見書が通らなくなったというのが率直な感想です。

否決された意見書の中には、コロナ禍で経営危機にあえぐ医療機関を守るための「医療機関の経営危機に対する財政支援を求める意見書(20年6月)」「旧統一教会と政界との癒着の徹底解明を求める意見書(21年9月)」「健康保険の一律廃止の撤回を求める意見書(23年6月)」「放射能汚染水(ALPS処理水)の海洋放出の中止を求める意見書(23年9月)」などがありました。
医療経営を守ることは国民のいのちと健康を守ることだと思うのですが、こういう非常に大切な意見書が否決されてしまいました。
旧統一教会と政界の癒着の問題だって、自民党の政治家たちが誰と結びついてどういう方向で政治を進めていこうとしているのか、非常に大切な問題ではないでしょうか。こういう意見書が否決されてしまいました。
後期高齢者の医療費の窓口負担の引き揚げ、介護保険の負担増と給付減の問題なども、高齢者のいのちと健康や介護保険へのアクセスを保障する意味でもとても大事なものだと思います。こういう意見書も否決されてしまいました。

1期目の4年間とこの4年間で、大きく変わったのは議員のメンバー構成だと思います。
メンバー構成によって、意見書は通りやすくもなるし通りにくくもなるものだと学びました。
意見書は可決すると文書に書き込まれた「提出先」に提出します。
提出先は内閣総理大臣であったり、衆参議長だったり、各大臣だったり時には県知事だったりします。
同じような意見書がたくさん提出されれば、国や県もそれを重視せざるを得なくなるものだと思います。
だからこそ、意見書はとても大切だと思います。
そしてだからこそ、選挙で誰を選ぶかということが非常に大切なことだと思います。

話は変わりますが、この4年間の意見書で私がとても印象深く感じているのは、名古屋入管の真相解明を求める意見書です。

名古屋入管でスリランカ人のウィシュマさんが亡くなった事件は、とても衝撃でした。
報告書を読みましたが、入管の職員さんが誠実に対応したとはとても思えないものでした。
例えば「バイタルサイン(熱・脈拍・呼吸・血圧など)異常なし」と書かれているのですが、どういう数値だったのかは書かれていません。報告書に記載されている状態からは、とてもバイタルサインが正常な状態だったとは思えません。もし本当に正常だったとしたら、入管職員が思っていたとおり「詐病」だったのかもしれませんが、数値も書かずに「異常なし」と書いて、だから詐病だというのはかなり無理があると思いました。
事実をきちんと明らかにするべきです。
私は壇上で意見書を読み上げたとき、自分が感じている疑問を率直に話しました。
多分その話に他の議員さんも共感してくださって、この意見書は可決しました。
しかし公明党と未来会議の6人は反対しました。

もう一つ印象深いのは重度心身障害者の医療費助成の問題です。
重度心身障害者医療費助成制度は、障がいがある方とその家族の経済的負担を軽減するため、医療機関を受診した場合の医療費の一部負担金を、県と市町村で助成する制度です。
「重度心身障害者医療費助成制度」の対象者は、身体障害者手帳は1~3級、知的障害は療育手帳マルA、A、Bですが、精神障害は精神障害者保健福祉手帳1級のみが対象れ、精神障害2級は対象外です。また、精神障害1級でも精神病床への入院費用は対象外です。
この状況を改善してほしいと家族会のみなさんが強く望んでいますし、私も改善するべきだと思います。
この意見書も可決しましたが、公明党と未来会議は反対しました。
中原市長を支える二つの会派の姿勢には、正直驚いています。