精神障害者家族会のみなさんの願い、一部が実現しました

2025年09月30日

9月議会は24日に閉会しました。
今議会は「精神障害者保健福祉手帳2級所持者』が一つのキーワードだったような議会でした。
嬉しかったことは、精神障害者保健福祉手帳2級所持者の精神科通院医療費、自立支援医療費の自己負担分が助成されるようになったことでした。

埼玉県議会の平成30年12月定例会で、家族会のみなさんが提出された「精神障害者保健福祉手帳2級所持者を重度心身障害者医療費助成制度の対象とするよう求める請願」が採択されました。
吉川市議会でも令和3年3月議会、県に対する同様の意見書を私が提案し、賛成多数で可決しました(未来会議と公明党は反対しました)。
7年もの歳月を経て、家族会のみなさんの願いの一部が実現することを心から嬉しく思います。但し残念ながら、今回の改正案は家族会のみなさんの願いの一部の実現に過ぎません。

家族会のみなさんが請願したことは、

  • 精神障害者保健福祉手帳2級所持者を「重度心身障害者医療費助成制度」の対象に拡充すること。
  • 精神科病床への入院も「重度心身障害者医療費助成制度」の対象に拡充すること。

でした。

今回の改正では精神障害者保健福祉手帳2級所持者の精神科への通院医療費、自立支援医療の自己負担分の助成に留まりました。統合失調症やうつ病などの方は糖尿病などの慢性的内科疾患を併発しやすいことが一般的に知られています。今回の改正案では、合併症の治療のための内科通院は助成の対象外です。また、精神科病院への入院も助成の対象外です。

以前、精神障害者への医療は収容主義が中心で、精神障害者の方々は人生の大半を精神病院で過ごさざるを得ないような状況がまかり通っていました。90年代頃から、精神障害者の方々の人権と病床削減政策とが相まって、精神障害者の方々が地域で当たり前に暮らしていくことができるように方向転換が図られました。

精神障害者の方々が地域で暮らしていくためには、障害福祉サービスの充実や地域参加へのサポートと同時に適切な医療にかかることができるような支援が最も大切だと思います。日ごろからの病状管理と、一時的に体調を崩した時に適切に入院治療を受けられる、そのための支援が重要です。

一般的に精神保健福祉手帳2級所持者の多くは、安定して働き続けることが困難で、経済的に困窮している世帯が多いのが現状です。また当事者の家族も高齢化し、医療費の負担が重くのしかかっています。このような状況の中で、家族会のみなさんは請願を提出されたのだと考えます。
今回の改正案を嬉しく受け止めつつ、更に家族会のみなさんの願い実現に向け、制度のより一層充実に向けて県との話し合いを進めていただくことを心から願っています。